土曜日の続きです

月曜日に備え、議会図書館で本のリクエストをしておき、DCの国立公文書館に移ってリサーチの続きをする。土曜日にはシャトルバスがないので、メリーランドには行かない。
資料のコピーはイメージだけならデジカメで間に合うが、細かいドキュメントは、ゼロックスと併用する。プリペイドのコピーカードにクレジットカードで入金しようとしたら、機械が受け付けてくれない。マイクロの部屋でも同じだった。スタッフいわく「この機会、時々カードも受け付けるけど、今日はどうだかわからない」。
閲覧室には最低限のものしか持ち込めない。長財布も禁止。カードも入る小銭入れにカード以外は3ドルくらいしか入っておらず、20ドル札を取りにロッカー室に行く。
アメリカ人は故障に対して寛大だ。地下鉄のエスカレータもしばしば故障したまま動かないことがあるが、人々も文句も言わずに、階段と化したエスカレータをテクテク歩く。停電でも、動揺しない。
17時に追い出されてアパートに戻り、ジョージタウンの街を歩いてみる。春めいた陽気と週末の開放感で、街は予想以上に賑わっている。どこのレストランも一杯だ。
あっ。見慣れた店構えを見て、初めて気づいた。こんなところにアバクロがあった。ずっと以前からこの前を通っていたのに、外から見えるアイテムが私の興味の対象外で、ただ素通りしていたのだった。
ここは、ほぼサンフランシスコと同じようなカジュアルな店づくりだ。私の探していた綿ニットも売られていたが、NYで既に買っていたので、軽く見学して外に出た。
たしかに、NY五番街のアバクロは、東京銀座のそれと似ていた。香水も強いし、音楽のうるささもクラブ風。とはいえ、銀座ほどには力が入っていない印象を受けた。何より、お兄さんたちがイケメンでなく、フツーにしか見えない青年なのだ。
驚いたのは、私が探している綿ニットの色の豊富さ。サンフランシスコやDCのジョージタウンでは3色なのに、白、ターコイス、ウグイス色、もしかするともう一色あったかもしれない。アバクロのテイストと少し違うので、人気がないようだった。店には世界中の観光客が次々訪れていた。
聞くところによれば、アメリカでアバクロの勢いは低下しつつあるという。五番街の外国人観光客と海外進出が、生き残りの鍵なのかもしれない。