相撲道の将来

 我が家では一時、大相撲がブームだった。両親が存命だったころ、離婚していた私と独身だった弟、家族4人で国技館の升席で観戦した。ちょうど若貴の全盛期。いまとなっては、我が家の美しい思い出だ。

 いまの相撲界の騒動を、天国の両親はどう見ているだろう。残念でならない。

 外国人力士に頼らないと成り立たない。日本人力士のモラルも保てない。ならば、公益法人の認可ははずし、現行の大相撲は民間の興行団体として運営していけばいい。そこには八百長や賭博があっても、誰も文句を言うことはない。

 国技としての相撲道は、「神社の奉納相撲」から再出発させることとし、こちらは税金を使って育てていく。それを興行化するかどうかは、その後で考えればいい。

 そもそも興行と神事を両立させようとすることに限界がある。長く続けば、腐敗は避けられない。いま起きている問題は、興行についてはリセットして見直せという天の声ではないか、とさえ考えている。