杮葺落四月大歌舞伎

内覧会では鳥肌が立つほどの感動を覚えた新しい歌舞伎座。中で観劇するのは今日が初めてだ。行ってみると、人、人、人、で、内覧のときの感動は半減してしまった。建築物って難しい。完成時に輝いていても、中での営みが始まってみないと真価ははかれない。

楽屋に行ってみると、役者にはいまひとつ不評なのだ。四代目を踏襲してモダニズムに走らずにいてくれて嬉しい私だったが、中堅どころの役者からすれば、新しさがないと落胆が大きい。思い切り変えれば絶対に不満の声が上がったであろうに、さほど変わらなければ、それもお気に召さないとあれば、設計者はどうしたら良かったのだろう。よほど歌舞伎に精通した建築家でなければ、その匙加減は無理だ。そんな建築家が平成日本に存在するとは思えない。

5列目ど真ん中で拝見できて幸運なのだが、以前ほどうれしくないのはなぜだろう。やはり勘三郎さんの存在が大きかったのだろうか。肌も体のラインも若いころの水準を保とうと日々努力している玉三郎さんは見事だったが・・・。

会場では書塾生に遭遇。劇場を後にして銀座で開かれたエンジン01の総会に出席。夜、帰宅すると揺れを感じた。震源地は銚子だという。先日、京都にいるときにも淡路島からの揺れが来た。なんだか地震に追いかけられている感じで怖い。

歌舞伎については、もう少し整理して、改めて書きます。