2003年7月8日

日本一の米作り職人

7日から活性酸素消去米の取材で昨日から仙台に行ってきた。そのプロジェクトの一人、石井さんの田んぼも拝見させていただいた。

世界各地で畑や田んぼを訪れ、その風景にある種の郷愁を抱いてきた私だが、この年齢になって日本の農家を訪れると感動を覚える。これこそ日本の原風景だと思えるからだ。

みずみずしい緑の田んぼに、白い鷺が降り立った姿は実にすばらしい。しかし、鷺はどこにでも宿るわけではない。石井さんのところのように、無農薬で稲を育て、微生物が存在する田んぼにしかやってこないのである。

石井さんの作る米が他を圧倒する理由のひとつは、田植えの時期にある。他より一ヶ月ほど遅いのである。いや、正しくは他が一ヶ月早めてやっつけ仕事にしているのだ。いまや大半の農家は米作りだけではやってゆけない。そこで勤め人となり、その間に田植えを行う。つまり、ゴールデンウィークに終えてしまうというわけだ。

そうした田んぼは全面が緑である。ところ狭しと葉が生い茂っているのだ。そうなると、葉が養分を吸い上げ、化学肥料を与えざるを得ない。しかも稲の穂に栄養分がいかなくなる。

それに比べて、石井さんの田んぼの稲はまばらに映る。葉が少ない。しかも水面は藻の緑に覆われている。こういう稲こそ、おいしい米を育むのである。

毎年、金賞に輝く米作り日本一の石井さんの作る米は、低蛋白米だ。正確には、低蛋白米を作ろうとしたのではなく、発酵米糠でおいしい米作りを追求した結果、低蛋白米ができたというのが正解である。

その石井さんが今年から活性酸素消去農法を取り入れることになった。こちらも無農薬で低蛋白米だが、1年経っても味が落ちないのが特徴だ。つまり、一年中「新米」で、老化現象が起きないというわけだ。

活性酸素消去農法で育てた作物は簡単に「錆びない」。たとえば、石井さんが育てている韮。畑から葉をちぎって食べていると、あまくてびっくりする。刈り取った後も、普通の韮の倍は葉が元気な状態である。生の韮なんて・・・と思うかもしれないが、本当にあまいのだ。これは中華の炒め物にしてはもったいない。和食屋で「生のまま」食べるべきである。

だとすれば、人間もこれを食べ続ければ、「錆びない」わけだ。そう信じて、昨年できた活性酸素消去米と納豆にわかめのお味噌汁を食べている毎日。この半年、家にいるときにはシラタキ・ミートソースで体重をキープしてきた私だが、お米がおいしすぎて、1キロ増えてしまった。その分、運動しろということか。