ブラジル初の女性大統領

ブラジルに女性大統領が誕生した。ジルマ・ルセフ新大統領、63歳である。 

ルラ前大統領の全面的支持があっての当選だが、アルゼンチンといい、オーストラリアといい、南半球に女性の指導者が次々登場していることは興味深い。

 ルラ前大統領は、自国の資源輸出で稼いだ分を貧困層にばら撒く形で底上げを図り、中間層拡大に成功している。90年代末、私の大学院同級生がブラジルの貧困やストリートチルドレンについて研究していたころには想像もつかない変わりようである。 

新大統領は若いころに投獄された経験の持ち主。その意味でも日本の政治家よりも根性は座っているだろうが、3年後のワールドカップ、5年後に控えたオリンピックに向けて発展を遂げ、中国の後に続くことは間違いない。 

余談だが、水晶の産地でもあるブラジルでは、米作りにクリスタルのサザレを使う農法が始まっているらしい。水田の水が浄化され、米が美味になるのだという。おそらく日系人の思いつきなのだろうが、農業でもブラジルの底力は侮れないといえよう。

新大統領は反日ともいわれるが、すでにブラジルの鶏肉を東京の店頭でよくみかけるこのごろである。

寒の入り

お正月は、年賀状書きとDVD鑑賞で終わった。帰省していた友人たちは、新幹線に空席をみつけられず、それぞれ苦労して東京に戻った模様である。 

私自身、この季節はつい鳥居をくぐってしまうのだが、仕事始めの日の午後は、サラリーマン軍団でどこも混雑している。初詣客が以前より多く感じるのは気のせいだろうか。 

明日は七草粥、などと考えながら外に出たら、寒い。毛皮が恋しい。手袋がほしい。東京なのに、この寒さ・・・。

 暦の上では寒の入りなのだから、これが本来の気候なのかもしれない。

バルーンスカート

鳥居ユキさんがバルーンスカートを発表したとき、嬉しくて嬉しくて、すぐに飛びつき、サンプルまでも買い占めました。なのに、かくも長くブームが続くとは思わず、毎年買い続けてコレクターの域に。もちろん、丈は年々短くなってはいるけれど。

この写真は4年余前のパリコレ前夜、パリのYUKI TORIIのショップ前で撮影。バルーンスカートのみならず、ジャケットも大のお気に入り。当時はショートジャケットもほとんどなかったので、これを見たときは小躍りしてしまいました。

ブーツはCOACH。7年前、ワシントンDCで暮らしていたときに出会いました。

紫ダウン

2-3年前にショップチャンネルで買ったAラインのダウン。1万円にしては上出来。このパシュミナでグラデーションを愉しんでいます。100%カシミアのネパール産大判パシュミナは、5年ほど前に代官山で購入。残りものとして、3枚で1万円くらいだったと思います。当時は紫に全く興味がなく、このダウンを手に入れてから、身につけるように。

それまでは、イッセイミヤケの黒のロングダウンばかりでしたが、あるとき道路や階段をひきずるロングダウンは、厄を吸い取っていることに気づいて、寒い地域に行くときのみに限定することに。ダウンはエコノミークラスで布団代わりになるので、便利です。

新春のお慶びを申し上げます

窓の向こうのレインボーブリッジは七色のグラデーションに染まり、その先で短く新年の花火が打ち上げられ、東京タワーが白化粧をしたと思ったら、近くの高野山別院から除夜の鐘がーー。高輪の友人宅に招かれた私は、そんな環境で年を越しました。

あけましておめでとうございます。

昨年は『ワシントンハイツ』が第58回日本エッセイスト・クラブ賞に選ばれ、年末には4刷まで重ねるという幸運に恵まれました。支えてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

また、1月からテレビ朝日系「サンデー・フロントライン」のニュース選定委員に加わることになりました。スタジオには入りませんが、コメントは流れますので、日曜日の朝10時、ぜひ番組を見てくださいね。

昨年の元旦は小雪の舞う京都。今年は再び明治神宮の第一鳥居前で、表参道の先から上る初日の出を拝みました。『ワシントンハイツ』終章に書いたように、です。平成23年のご来光は、ますます眩しく、ゴールド度を増していたように私には見えました。この国の未来について心配は尽きませんが、かくも美しい日の出を見ると、日本はまだまだ大丈夫という気持ちになるから不思議です。

皆さまに幸多き1年でありますように。

平成23年辛卯正月

秋尾沙戸子