2017年8月 美山「上げ松」

京都では火を用いた神事が多いのに驚く。古にゾロアスター教が入ってきたのだと認めざるを得ない。
「火の用心」で知られる愛宕神社。7月31日に愛宕さんに登り、「火の用心」のお札を持ち帰るの。主に若者が登り、それを受け取って京都の料理屋の厨房には必ずといっていいほど、この「火の用心」が貼られている。

愛宕信仰は京都府の若桜街道沿いに広がり、地蔵盆と期を同じにして、「松上げ神事」が行われている。一般に花背と広河原が有名で、昨年は雲ケ畑に、今年は南丹市美山に出向いた。
美山では3カ所で4本柱松が立てられる。私は2本立てられる盛郷のを選んだ。巨大な松明に見立てた御柱の上に笠と呼ばれる籠を取り付けたものが立てられている。その籠に、まるで運動会の玉入れのように火の塊のようなものを円盤投げのようにぐるぐるまわして投げ入れ、着火する。

広河原など観光客にも知られる地域では30分ほどで終わるように多くの火が投げ入れられるのだろうが、美山は人数が少ないせいか、着火までに時間がかかる。あんなに高くまで届かないのではないか。もう少し、惜しいなどと、ハラハラドキドキさせられるところがスリル満点。着火した後は柱を倒して終わる。

土地のものを食べないと気が済まない私。 「きぐすりや」さんで鮎と地鶏を頂き、大満足。浴衣に着替えて見守った。食事前に現場を見たときには熱中症入り口のような気配で、寒くなることを恐れて、襦袢を着用。
浴衣の文様は、紫式部。9月に街でみつけ撮った写真を加えます。