2015年6月 向日葵文の絽ちりめん@蛍の茶会

亀岡の料理旅館「楽楽荘」での茶狂会。今月は蛍。執筆で引きこもり誘惑を撥ね退けてきた私にとっては、久しぶりの参加。楽しい会なので、遊び心たっぷりの向日葵にしました。
絽ちりめんは6月でも大丈夫。この向日葵、花を裏側からも描いていたり、葉っぱの色が微妙にあせているものがあったり、大人っぽいのが気に入りました。10年前、アンティークきものに手を染めるキッカケとなった着物です。
なかなか合う帯がみつからず、この着物を持って銀座中の店を歩きまわり、出会ったのがコレ。ブローチのトンボを飛ばしました。買った直後NYに行ったとき、あの店この店で購入。流行っていたんです、昆虫のブローチが。帯留にしているのは、ブルーミングデールでみつけたトンボのナイフフォークレスト。帯に糸で縫いつけたら糸が切れてしまったので、荷造り札のワイヤーで留め、三分紐を通しています。本当は緑がいいのですが、翡翠の龍で使いすぎて痛んでいるので、花と同じ黄色にしました。
こういうレトロな着物が、待合という和の空間、明治の洋館という佇まい、それぞれの風景で、どう見えるか、研究材料にしてくださいね。楽楽荘は、トロッコの生みの親でもある田中源太郎氏の生家でした。お庭も、七代目小川治兵衛作。南禅寺界隈別荘を手がけた方です。
そういえば、AKIOは蛍の帯も持っていただろう、との声も聞かれそう。そうなんです。でも明治の帯につき、端が擦り切れてきたのが難。普段はよくても、お茶室に入るのに失礼な気がして、選びませんでした。
夕食の後、川沿いの森に生息する蛍を堪能しました。隣の田んぼから蛙の合唱が聞こえてきて、若冲の蛙の帯が頭をよぎりましたが、蛙の存在までは想定できず。蛍狩で足場が悪いのは覚悟の上。履いているのは下駄草履。草履風なれど、下は桐で出来ているので、軽いのです、とっても。 あ、トンボは勝虫。武士が好んだ文様です。