世代を超えたシングル集合住宅を

以前からの持論なのだが、東京都は「世代を超えたシングル集合住宅」を作るべきである。そこには、診療所と保育所を置く条件つきではあるが。

ここでいうシングルとは、高齢者シングルと、子どものいるシングルをさす。シングルに限定するのは、カップルを見ると、いずれの世代も孤独感が増すためである。

高齢者には、孫がいなくて孫を抱いてみたい人、孫がいるのに嫁と折り合いが悪く孫が抱けない人がいる。他人の子どもを通して疑似家族体験ができれば、孤独が解消されるし、なにより、子どもから若いエナジーがもらえる。

忙しいシングル母もシングル父も、放課後、そこで暮らすお年寄りに子どものケアをお願いできたら、安心して仕事に集中できる。幼子も寂しくなくなるし、なによりお年寄りの知恵を学べる。親世代は子育てにまつわる不安を、高齢者に聞いてもらうことでストレスから解放される。もちろん、その逆もあるとは思うが、そのときは、その住宅を出ればいい。

代々木公園なんて、本当に広くて、もったいないなあ、って思う。訪れる人もまばらで、公園としては、あそこまで広くなくてもいいはずだ。避難所としても十分すぎる広さがある。実際、戦後すぐに米軍家族住宅「ワシントンハイツ」だったあの敷地には、幼稚園も学校も存在したのだ。あの芝生の上を、アメリカの子どもがちが縦横無尽に走り回っていたのである。