2017年3月 ひいなの帯で、杉本家へ雛飾りを観に


杉本家の雛飾り、公開最終日に駆け込み入場。
杉本家に代々伝わる明治時代の有職雛は「源氏枠」という吹き抜けの御殿飾り(写真上)。ほかにも歴代当主夫人の生家から贈られた享保雛や古今雛、立ち雛、市松人形など、時代もいろいろです。雛飾りは本来、内裏雛だけが基本で、三人官女や五人囃子は、後から加わったのだそうです。

さて、この日の装いは、ひいなの帯を20代に母が誂えてくれた小紋にあわせてみました。
ひいなの帯はずっと探し続け、昨年ようやく出会ったのです。内裏雛とともに鳩が描かれているのだから酉年にふさわしい――。などと勝手に決め、雛飾りを見て歩きました。着物は、先日の青の紬のほうがインパクトはありますね。少なくとも、現代的な印象にしあがります。

YUKI TORII 東京コレクション

IMG_0611●今年も、東京コレクションにお招きいただきました。

美馬のゆり博士と私が着ているのは、前回のコレクションの作品。私が来ているのは、迷彩風の花柄レースのワンピに、同じ生地でボレロを特注しています。

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2017年3月 古渓忌の茶席へ


大徳寺大仙院へ。色無地に尾長鳥帯を締めて。纏っているのは母の道行コート。久しぶりです。
緑の草履は、ゑびすさんの帰りに、祇園ない藤さんで求めました。写真を撮影するのに、苔には触っていません。石の上に乗っています。
横からを見たくて、街中のガラスに映った姿を自撮りしています。

2017年3月 紅椿の帯で、花灯路の石塀小路へ

先日の吉田塾の後、花灯路の石塀小路を歩きました。この日が最終日。
東山花灯路は、八坂の塔から北へ、東山界隈の神社仏閣がライトアップされる春の行事です。なかでも路地行燈に照らされた石塀小路の風情は、なんとも幻想的で、人が少なければ、そこに身を置くだけで、とても幸せな気持ちに浸れます。
写真はすべて、塾仲間の八木沢哲雄さんにお願いしました。夜、人のいない隙を狙って撮るのは難儀で、感謝の気持ちでいっぱいです。
足元にご注目あれ。祇園ない藤さんのお草履のデビュー。緑と黄色のコンビなので、この帯なら合うと信じて。後ほど、草履そものをアップしますね。
撮影の後は、ぎおん楽楽へ。ご紹介頂いた女性客陣のコメントは、帯が変わっているから気になっていた、でした。随分前にアンティークのお店で購入。当時は、誕生石のペリドット色にこだわっていたため、目に入ったのだと思います。東大寺修二会のころに締めたくなる紅椿文。作り帯に加工してあるので、急いでいても、すぐに締められます。
書きながら気づきました。この帯にはペリドットの指輪が似合ったのに、すっかり忘れていました。

2017年3月 北野天満宮へ 梅文の帯で

IMG_0190 明月舎眩しすぎる陽射しなのに大粒の雨。抜けるような青空が広がっているのに、頭上にだけ薄い雲。そこから、かくも大粒の雨が降らせるなんて。文字通り天気雨の北野天満宮へ和服で出向いた私には、大粒の雨が恨めしく、つい愚痴っぽい文面になってしまいます。IMG_0202 北野天満宮 天気雨
この日は風も強く、境内の梅も散いそうな勢い。右の写真をクリックしてみてください。花びらが舞っているように見えますが、これらは大粒の雨なのです。
IMG_0162IMG_0155訪れた目的は、明月舎でのお茶会。母の小紋に梅鉢文の帯を締めました。

2017年3月 梅小路公園

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先日の続き。桂離宮を出たところで、バスをみつけ、乗車。京都駅西、交通博物館近くの梅小路公園へ。
梅小路というからには、梅の木があるはず、と探したら――、ありました。一番奥に。いや、最も京都駅から近いのかもしれませんが、なにせ交通博物館のほうから歩いたので、遠いのなんのって、歩き疲れました。★P1230704
梅はたくさん咲いていました。でも、庶民の梅です。桂離宮とは空気が違う。梅の花に埋もれての写真を撮りたかったのだけれど、これが限界でしょうか。どんどん暗くなってきました。

2017年3月 法要の装い:祖母の十三回忌は提婆品の帯で

3月11日は祖母の十三回忌。厳島神社に清盛が納めた平家納経の提婆品(写真左)をモチー祖母十三回忌 IMG_3171-minフに織られた帯をデビューさせました。法華経の十二品「提婆達多品」は、女人成仏を謳っており、祖母の成仏を願う意味もあります。
提婆品この重厚な帯に合う色無地が我家にはなかったので、京都で誂えました。七回忌までの法要には派手かとも思ったのですが、親戚だけが集まる十三回忌の法要であり、普段はお茶席で着るだろうと考えての選択。これ以外に、チョコレート色、ラピスラズリ色、深緑も候補でした。チョコ色はお茶席でよく見かけるので止め、ラピス色は華やか過ぎるので止め、結果、北極星の色にした次第。地紋は、高野槙。めずらしいですね。
色無地は、すでに京都と水戸で着ています。鳳凰の帯以外にもいろいろ合わせやすいので、満足しています。

2017年3月 吉田塾へ紅椿の帯で

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東大寺二月堂の修二会の季節。3月半ばまでは紅椿を纏いたくなります。P1240019母の紬に紅椿の帯を締め、吉田塾へ。
P1230985伺ってみると、雛飾りが・・・。そうです。京都の旧家は、旧暦で飾るところも多いのです。今年は30日がその日にあたるとか。だったら、ひいなの帯を締めたらよかった、と一瞬思ってもみたけれど、いえいえ、吉田孝次郎さんは東大寺のお水取り(修二会)の話をされると確信していたから、この帯を選んだんです。その予感は的中しました。これでいいのです。
二月堂に鎮座する十一面観音に捧げる椿の造り花の和紙は、染司「よしおか」が黒谷の和紙を紅花で染めて納めています。試別火 (ころべっか) という修行期間のなか、花拵えの日に連行衆と堂童子が拵えるのです。支子で染めた黄色い和紙を花芯とし、紅花染めの赤3枚と白2枚の和紙で椿の花とします。吉田家の玄関には、その椿が飾られていました。季節の室礼、さすがです。49_large 椿
今回のテーマは朝鮮毛綴れ。野生のヤギや羊の毛で織り、綴れの上に絵を描いています。触ってみると、ザラザラしています。山鉾の懸装にも使われた時代があり、山鉾町には数点、残っているようです。この手法は世界でも朝鮮半島にだけ存在するのですが、P1240052韓国からいらした方によれば、P1240076すべて織る手間暇をかけて表現せず、色を塗ってしまうところが、朝鮮民族らしいとのこと。アジア各地を歩いてきた私の浅い経験でも納得してしまうお言葉。実際、その血を引く末裔が仰るのだから、なるほど、そうなのでしょう。