菊池寛賞授賞式

あったかい。12月とは思えない暖かさ。ベランダの楓はすっかり黄金色になり、しかし、早々に何葉も色鮮やかなまま砂利の上に重なっていた。

きのうの朝の激しい雨と、その後の風に揺さぶられ、青山墓地の桜の葉も枝から離れた。墓地を南北に貫く道の風景は、すっかり冬枯れのよう。なのに、この暖かさに、心もからだも戸惑ってしまう。

昨夜は菊池寛賞の授賞式に出席。染司「よしおか」の当主であり、源氏の色の研究者・吉岡幸雄先生が受賞されたからだ。

かつて「よしおか」の東京支店が西麻布にあり、月に一度、先生の講義を聴きに通った。日本の色や伝統について、吉岡先生から多くを教えていただいた。その断片は、archives→日本の真髄→ニッポンの色に記されているので、ぜひご高覧を。インタビューの際、先生と一緒に撮影させていただいた写真が、当時の西麻布の「よしおか」である。

お父上は、帝王紫の研究の第一人者。親子二代で色の研究に勤しまれ、すばらしいの一言に尽きる。改めて、おめでとうございます。

ちなみに、お父さまの研究された貝紫の帯は、右上のkimono→2009年10月で見られます。