鳴虎に会いに報恩寺へ

誕生日が「寅の日」と知って、にわか虎コンシャスの私。宝鏡寺のすぐ南にある報恩寺を訪れた。「京の冬の旅」でレプリカが公開される前に、「鳴虎図」の本物が3日間だけ公開されるというので、最終日に駆け込み。伊東若冲が手本にした絵を拝見するのだから、ここぞとばかりに、若冲「猛虎図」の帯を締めて。

まるで本物がそこにいるようなリアルな絵。白、黒、赤茶。毛が一本一本丁寧に描かれているためだろうか、驚くほど立体感がある。

「鳴虎図」は明の時代、寧波出身の画家、陶イツによって描かれた。その後日本に渡り、16世紀初め、後柏原天皇から報恩寺に下賜されたらしい。秀吉が見初めて聚楽第に持ち帰ったが、夜になって鳴くので寺に返されたという逸話さえ残っている。

明の前は宋。この時代、現代人の想像を超えた文化の発展を遂げた中国。ものすごい数の熟語が生まれたと聞いている。絵画においても、色々な表現が生まれたに違いない。明の時代は、それらを踏襲した可能性が高い。

獰猛なはずのアムール虎。しかし、ちっとも怖くないのは、丸い瞳のせいか。

「寅の日」生まれと知ってから、虎への愛情が深まるばかりの私である。