粟田祭の神仏習合

今日も陽射しが強かった。日向にいると暑さが際立つのだが、肌をなでていく風がそれを否定する。すぐにでも木枯らしに変身しそうな怪しげな気配なのだ。秋が足早に過ぎて、冬がやってきそうな予感がする。

粟田神社の渡御行列を観にいった。今日は神輿が練り歩き、青蓮院門跡に入って神仏習合の神事が行われると聞いたからだ。

何年前のことだろうか。平安神宮近くの美術館に行くのに、八坂神社から散策しつつ、吸い寄せられるように入った青蓮院。その後、粟田神社に迷い込んだ。その思い出深い神社と寺院で神仏習合の神事があると知れば、ご縁と思わずになんとしよう。

この祭りの特徴は神輿に先立って、町内の疫神を鎮めるという「剣鉾」の存在。長さ6mほどの棒に剣先が取り付けられ、空に向かって揺れる様が美しい。鈴らきしものがついていて、その音色がなんとも心地よいのだ。空気を浄化するだけでなく、人間の気持ちも癒してくれる響きだ。

重さは40キロ近くあるという。基本は横にして移動し、然るべき場所に来ると 建て、腰につけた差し革で支えてバランスを取りながら練り歩く。この鉾差しができるまでに3年前後を要する技らしい。粟田祭では、6基が練り歩く。

 

神輿が青蓮院門跡の中に入ると、まず神道のやり方でお供えがなされて粟田神社宮司が祝詞をあげた。続いて青蓮院門主が玉串を捧げた後に、天台宗の修法で浄水を柳の枝で灌頂した。少なくとも私の位置からはそう観えた。

明治維新以前には、神仏習合が当たり前だった日本。その儀式が粟田神社で復活したのはいつなのか。前の晩は知恩院との神仏習合の儀式。まずは仏式の法要。般若心経の読経を経て、神事が行われるという。

粟田神社は祇園感神院新宮。なるほど、祇園祭と通じるものがあるわけだ。

★写真は後日アップします。