先輩の力

東京女子大学の卒業生の方々の前で、畏れ多くも、ワシントンハイツについて話をさせていただいた。

現役の学生の前で話したことは何度かあるのだが、卒業生、それも先輩たちの前で話をするのは、かなり勇気がいる。女子大の気風として、とりわけ自ら道を切り開いてきた自負のある人々は、批判の精神に満ち溢れていることを知っているからだ。

実際、お会いして痛感したのは、昔の女子大が選りすぐりの人々を集めていたということ。彼女たちは育ちもよく、時代を牽引していたことは間違いない。こうして先輩に刺激を受けられるのは、手ごわいけれど、恵まれているということでもある。

同時に、私自身も、後輩たちにある種、緊張感を与えられる先輩であり続けたいと思う。自分の考えが点から線へ、線から面へと広げられるのは、おそらくこうしたネットワークを生かせるときなのではないだろうか。

お祝いの品

7月29日に催された祝宴に欠席された方に昨夜、日本エッセイストクラブ賞受賞を祝う食事会を開いていただいた。その際に頂いたプレゼントが意外で、とても嬉しいものだったので、後日、コレクションにアップしようと思う。

この歳になると、驚くような品は滅多にないのだが、これを選んだ若い女性は、かなり見立のセンスがある。その内容は・・・。

ライブ

さかもと未明さんのライブコンサートに出かけた。

歌手としては発展途上なのだが、ステージに立つとオーラを発して、皆を魅了する。彼女のけなげな生き様に裏打ちされたトークに魅力があるのだと思う。

体調をコントロールしながら、新しいことに挑戦するのは、しんどい反面、励みにもなっているはず。頑張って!と応援しつつ、こちらも元気をもらって帰ってきた。

2010年10月 新橋演舞場へ

新橋演舞場へは、紺のお召しで出かけました。実は、単衣なんです。地味なので、ずっと奥にしまいこまれていました。母が着ているのも記憶になく、あまり我家では人気がなかった気配。
あるとき、20代に締めていた綴れ帯を乗せてみたら、結構いい感じ。濃紺が入っているのがいいのでしょう。なので、袷にしようかどうか迷いつつ、10月なのに、これを着た次第。銀の大降りの水玉が、雪のようにも思えて、この着物で色々遊べるかもしれません。
千秋楽間近。夜の外気は少し涼しげですが、劇場の中は時折、汗がにじんだくらい。袷を着たら、どうなったことやら。
今回は、7代目、8代目、9代目坂東三津五郎丈の追善公演。8代目は日本エッセイストクラブ賞受賞者の先輩でもあります。その意味で、今回の追善公演は、なんだか身近に感じた夜でした。

2010年09月 立涌のお召し


この立涌のお召しは、かなりお気に入りです。どちらかといえば、5月6月に着る機会の多い着物。そのときの帯は透け感のある夏帯で。
でも、今年のように、日中に陽射しが強いと、9月はもちろん、10月初頭にも着てしまいます。この綿の帯は本当に便利。袷の黒にもぴったりです(2010年2月参照)。
いずれも母の娘時代のものと思われますが、サイズも直さずに着ています。袖は五寸のまま。身幅もそのままですが、そのほうが細く見えると本人は思い込んでいます。

2010年9月 綿の幾何学


私のためにあったのか、母の娘時代のものなのか。鼠の綿に赤の亀甲と銀の四角。面白い文様です。
NHK総合で夜11時20分から毎晩放送されていた「ナイトジャーナル」のメインキャスターを勤めていたころ、『婦人公論』の取材を受けた際、母が出してくれたものです。ただ、そのペイジはモノクロだったので、色まで写されずに残念なことをしました。
普段はこの夏帯を締めていますが、9月には、若冲の雨龍の帯を締めたいと考えていますが、勿体無くて、まだ締めていません。

2010年09月 襦袢 くもの巣

以前にトランプの襦袢をご紹介しましたが、それ以外にも、結構、集めました。くもの巣だけでも3種類。左は白地に鼠で蜘蛛の巣が描かれた絽の襦袢。五寸と三寸の両方を仕立ててあります。真ん中は、ネットで買った白地の襦袢。袖を単衣にしたてました。右は袷の襦袢。黒地に銀で蜘蛛の巣を描いてもらいました。

2010年09月 宮古上布


母の宮古上布。8月は暑くて着る気になれず、ずっと箪笥の中にしまっていました。
今年の9月はずっと暑くて陽射しが強かったけれど、日が落ちると秋の気配。えーい、と9月なのに、これを着て食事にでました。
本当は白い絽の博多献上とかを締めたいところですが、その季節には袖を通すことのない宮古上布。帯を緑にすることで、少し秋の空気をもりこみ、季節はずれの印象を消してみました。
帯締も祖母の引き出しにあったもの。縞の一色が帯と同じ系統の緑なので、あわせてみました。

2010年08月 越後上布


祖母の越後上布、盛夏はこれに限ります。祖母のものは時として縫い糸が弱って、ほつけているものです。縫い直すなら、一度洗い張りに、とお願いしてみたところ、雪晒しにしてくれたので、真っ白になってかえってきました(それまでは、薄いグレーのような印象でしたが)。
帯も祖母のもの。日焼けして色あせしていたので、裏返してかがってもらい、締めています。
日中の陽射しは真夏でも、夜になると忍び寄る秋の気配。白のせいもあるのでしょうが、月末には、この上布では涼しく感じ、絽に着替えて出かけました。