エジプトのムバラク大統領が辞任に動きだしたようだ。スレイマン副大統領に大統領の座を譲る模様。
やぱりインドネシアのスハルト退陣のときと似てきた。「あなたと家族の命はお守りします」とスレイマンが説得したのではないだろうか。
とはいえ、軍や治安部隊に、これとは違う動きをする人がいるやもしれず、そうなると、街中での暴動などが起きる可能性もある。それは、そうした分子の手下が民衆の中にもぐりこんで仕掛けるというシナリオだ。予断は許さないが、これでひとまず、スラマット・レフォルマシ(祝改革)である。
エジプトのムバラク大統領が辞任に動きだしたようだ。スレイマン副大統領に大統領の座を譲る模様。
やぱりインドネシアのスハルト退陣のときと似てきた。「あなたと家族の命はお守りします」とスレイマンが説得したのではないだろうか。
とはいえ、軍や治安部隊に、これとは違う動きをする人がいるやもしれず、そうなると、街中での暴動などが起きる可能性もある。それは、そうした分子の手下が民衆の中にもぐりこんで仕掛けるというシナリオだ。予断は許さないが、これでひとまず、スラマット・レフォルマシ(祝改革)である。
本日発売のクロワッサンに映画評を寄せている。タイトルは「英国王のスピーチ」。内容は本誌をぜひ。最後はうるっとする映画である。
で、送られてきた掲載誌の表紙をを見て、びっくり。「片づけられる人、片づけられない人」。私のための特集か。
結局、今年になってもずっと忙しく、片づけに進展がないままである。
我が家では一時、大相撲がブームだった。両親が存命だったころ、離婚していた私と独身だった弟、家族4人で国技館の升席で観戦した。ちょうど若貴の全盛期。いまとなっては、我が家の美しい思い出だ。
いまの相撲界の騒動を、天国の両親はどう見ているだろう。残念でならない。
外国人力士に頼らないと成り立たない。日本人力士のモラルも保てない。ならば、公益法人の認可ははずし、現行の大相撲は民間の興行団体として運営していけばいい。そこには八百長や賭博があっても、誰も文句を言うことはない。
国技としての相撲道は、「神社の奉納相撲」から再出発させることとし、こちらは税金を使って育てていく。それを興行化するかどうかは、その後で考えればいい。
そもそも興行と神事を両立させようとすることに限界がある。長く続けば、腐敗は避けられない。いま起きている問題は、興行についてはリセットして見直せという天の声ではないか、とさえ考えている。
昨日は会津若松で講演。懇親会に出席して、東京に戻る。
今日は節分。簡単に掃除をして、鬼やらい。太巻き。日本酒。というお決まりのコース。ヒイラギを買いそびれたのだが、鰯は和久傳の福梅鰯、それに日本酒は会津の末廣製を一口。
夜は取材と打ち合わせの電話2本が控えていたので、いつもよりせわしなく、やや雑な動きになってしまった。
こうなると、民衆はムバラクの即時退陣まで収まらない。問題は、誰がムバラク猫に鈴をつけるかだ。軍は一枚岩ではなく、キーパーソンの幹部が最終的に民衆につくか、寝返ってムバラク(+誰か危ない軍幹部)につくか。その後、インドネシアのスハルト元大統領のように辞任会見か、チュニジアのような国外脱出か。おそらく副大統領のスレイマンが大統領になり、次の選挙までつなぐことになるだろう。エルバラダイを担ぎ出そうというグループも居ると思うが。
いよいよムバラク政変の崩壊か。このくらいデモが広がると、あとは時間の問題。インドネシアの元大統領スハルトの最後と似てきた。エジプト市民は、もう勝利したかのようなユーフォーリア状態。現地時間1日の100万人デモが決定打となるだろう。軍が市民には発砲しない宣言したから、街に繰り出す人が増える。歴史的転換点に立ち会いたい。これから参加する人々の心境は、サッカーの試合の応援で興奮するのと似ている。
おそらく軍は一枚岩ではなく、上層部が、ムバラクにつくか裏切るか、そのあたりが鍵である。
問題はこの後だ。誰が政権をとるかであるが、急進イスラームが力を持てば、イスラエルとの関係が微妙になる。結果、戦争が起きないとも限らない。
当面は石油の高騰が世界経済を揺るがす。スエズ運河を通れないとなれば、その影響はあまりに大きい。
チュニジアの政変では興奮した私。現地に行って取材したいとうずうずしたものが、エジプトとなると、消極的。急進派イスラームのテロの多いあの国で、混迷する空気の中に飛び込むことには、二の足を踏む。もっとも、原稿をあれこれ抱え、講演の仕事を受けているので、この時期、日本を離れるわけにはいかないのだが。
それにしても、ずいぶん大勢の日本人観光客がカイロの空港にいるというので驚いた。500人が空港で足止めを食らっているのだという。アメリカ人にいたっては、千人以上いるらしい。中国政府も、飛行機を飛ばして、邦人国外脱出を促すらしい。テロの危険のある国にかくも大勢。みな勇気がある。
日本政府もチャーター機を飛ばし、早めに国外に救出したほうがいい。
日本にいるときは、毎朝目覚めるとまず、NHKBSの海外ニュースを見ることにしている。
昨日はいきなりモスクワの空港が爆破されたニュースが入ってきて、頭を殴られるような衝撃を受けた。その上、アルジャジーラでは、ウィキリークスによって明らかになった中東和平交渉の裏側を報じており、これがパレスチナ人を刺激することは間違いないのだ。
今年は世界が混乱すると、東洋系の占い師は予言しているのだが、年初からこれでは、この先どうなることやら。少なくとも中東地域は穏やかではない。
できるだけ犠牲者が少なくて済むことを祈るばかりだ。
行きたい行きたいと思いながら、先送りにしてきた北アフリカの国々。観光と割り切れば、キューバ同様、独裁者が力を持っているときが狙い目である。やはり思い立ったらすぐに行動に移さないといけない。
と、「旅する女性」らしい目線がある一方で、私の中では、この動きの背後に誰がいるかに興味津々のジャーナリスト目線もある。
チュニジアの政変を「ジャスミン革命」と名づけたのは誰か。そう呼んで美化していいものだろうか。
共産主義政権下の反体制知識人として何度も投獄を繰り返した劇作家のハベルが仕切り、彼が大統領になった89年のチェコスロバキアの政変は「ベルベット革命」と呼ぶに値するが、チュニジアのケースはむしろルーマニアに近い。ルーマニアについては、ティミショアラにおける民衆蜂起の後、ブカレストでのあまりに組織だった動きを単なる民衆革命かどうか疑う声は当時からあった。
とまれ、チュニジアから始まった民主化の波は周辺諸国に飛び火することは避けられず、結果、マグレブ諸国はしばらくの間、混乱期に入る。そのほうが、都合のいい国や勢力が存在することは確かなのである。
この地域の国々で民主化を考えるとき、欧米型民主主義体制にはならないと思う。今後、イスラームが新しい体制での民主化にどういう役割を果たすのか。興味深い。