2014 年5月 葵祭「禊の儀」

禊の儀
この日は報道席から撮影したので、私は和服を着ておりませんが、和服好きには十二単の襲に興味がわくと思い、掲載します。
葵祭のヒロイン「斎王代」が手を清める「禊の儀」。昨年は下鴨神社、今年は上賀茂神社で執り行われました。写真は手を清めるところですが、人形に息を吹きかけ、奈良の小川に流す禊の作法が重要なのです。女人列の50人も人形を流しました。
ところで、斎王代は、「代」というくらいですから、本物ではありません。本来は内親王が奉仕されていました。戦後、葵祭のヒロインというポジションが生まれました。京都で代々続くお家のお嬢さんが選ばれます。芸能界のように、ぽっと出の女性が出るわけにはゆきません。
葵祭当日も、斎王代が一の鳥居で腰輿(およよ)を降り、左下のように童女に裾を持たせて歩いて参進するのですが、今年はあいにくの大雨。この日に撮影できて、本当にラッキーでした。ドロップのように色とりどりで美しい、女人たちの装束もお楽しみください。

禊の儀@上賀茂神社

禊の儀人形に息吹きかけ人形葵祭りに先立ち、斎王代と、お付の女性たちが手を清める儀式が上賀茂神社で行われました。昨年は、下鴨神社だったのです。

今年の斎王代は和菓子の老舗「老松」のお嬢さん。頭に葵をつけています。葵祭当日も。

十二単の襲が美しいですね。雅な色使いが好きです。フランスにも通じるものがある。こういう光景をよく目にする京都では、はんなりの着物を着たくなります。東京とは気分が変わります。

肝心の禊ですが、ならの小川の畔で手を清めます。撮影には、介添えの女性が邪魔ですね。どのショットにも入ってしまいます。彼女にも平安装束に近いものを纏わせるか、女官の誰かに介添えの知識を叩き込むかにしてほしい。

その後、橋殿に戻って、人形(ひとかた)に息を吹きかけ、ならの小川に流します。これは夏越の祓などと同じ、上賀茂神社ならではの禊の作法です。

2014年5月 燕文の帯

ツバメの帯@大島パステル『ワシントンハイツ』を上梓するずっと以前、学生時代にUCLA短期留学で知り合った友人に導かれて米軍の横田基地を訪れています。そこで日本の帯を販売していたマイコさん。後で福生のお店を訪れて購入したのが、このツバメ文の帯。90年代末のことです。
ピンとくる組み合わせを思いつかず、今年初めて締めました。コートにするといいかも、と「かわの屋」さんで購入したパステル調の大島に合わせて。
ツバメと傘はよくあるモチーフですが、柄の出し方がよくわからないまま。でも、涼しげですね。大島は袷でも肌触りが冷たいので、5月向き。

流鏑馬神事

★IMG_0088葵祭の無事を祈りつつ、26度の今日、下鴨神社で流鏑馬神事が行われました。

上賀茂神社の馬も、ものすごいスピードだから、カメラに収めるのだけでも大変でした。流鏑馬は、加えて矢を射るので、そのタイミングが、もっと難しい。その上、ピントをあわせるだなんて、神業としか思えません。とてもとても素人の私には無理でございました。

写真は、矢を射った後、次の屋の準備に右手が後ろに向かっているところであります。

午年でもあり、皆さまにも馬の写真をお届けしたいと思いつつ、プロのカメラマンのように、馬にピンがあうように撮れた写真が少ないのであります。それ以外の神事にまつわる写真は、後ほどアップします。

足沙式、そして床開き

宙にういている競う2頭長刀鉾 暗くなってからテレビ中継DSCN0064少し前まで桜色に染まっていた加茂街道は、すっかり若葉色に変わった。今年も葵祭の季節がそこまでやってきている。その前に行われる競べ馬に先立ち、今日の午後、足沙(あしぞろえ)式が行われた。予行練習と考えていい。途中、雨に降られたが、無事に終了。

夕方は床開き。「鴨川納涼床」が鴨川沿いの料亭や旅館88店で始まった。「長刀鉾祇園囃子(ばやし)保存会」がおはやしを披露。彼らにとっても浴衣を着て演奏する稽古はじめということになる。だが、浴衣姿はいかにも寒そうだった。特に小中学生の子どもたちには。テレビ局の中継も。

 

 

2014年4月 都をどりへ 枝垂れ桜の帯で

都をどり お手前2都をどりではお茶席の写真も許されているのです。お茶屋さん枠で行かれるという方に同行して、正客席に座らせて頂きました。特権は紗矢佳さんの点てたお茶が頂けるのと、舞妓さんが運んでくれること。お菓子を運ぶのは女子大生風のバイト。とても雑です。
都をどり帯中では、過去の群舞の衣装が展示されていました。ここ数年は青が基調で、上の枝垂れ桜の部分は毎年同じ。私の鶸萌黄色無地には東儀さんとの2ショットで締めた帯のほうが合うと思うのですが、枝垂れ桜のモチーフつながりで、この紫を締めたというわけです。さすがに他では桜文は締めません。
京おどりで和服だった方は、元芸妓さん風のお姉さま方ばかり。なので今回は無地を選んだのですが、都をどりでの和服姿は一般客も多く、はんなり華やかだったように思います。まさに夏隣のこの日、単衣にしたくなるほど。さりとて、かつて結納のために母が用意してくれた藤のつけさげ(単衣)では浮くような気もして、せめて清涼感を出す意味でも、この色で。
さて、肝心の舞台。お茶屋さん枠なので、前から5列目の最高のお席。やはり華のある舞妓さんはかわいらしい。踊りの上手な舞妓さんもいい感じ。しかし、舞台に立つ舞妓さんの人数が減っている風で、昔を知る人は寂しくなったと話します。客席には和服姿の中高年女性にくわえ、IT社長風の和服に帽子という40前後の男性も目立ちました。呉服屋さんのご接待なのだそう。
空腹というわけでもないので、バーで軽く、を望んだ私たち。帰りは、先斗町のジャズ・バ-で鴨川も見下ろしながら、ビールを楽しんだのでした。

都をどり

都をどり お点前お菓子都をどりでは、公演前のお手前も写真撮影が許可されています。お茶屋さん枠で観に行かれる方に同行して、正客席に座らせていただきました。

正客の特権は、沙矢佳さんが点てたお茶を 直接、舞妓さんが運んでくれること。お菓子は「とらや」さんでした。このお皿、お持ち帰りOK。朱を期待しましたが、緑が置かれてしまいました。お菓子を運ぶのはアルバイト風で、雑なのです。客の人数が多いとはいえ、機械的な振る舞いには少し疑問が残りました。

さて、舞台。1ヶ月の長丁場。配役は日によって違います。京都の旦那衆は贔屓の舞妓さんが出演する日に観にいってあげるようです。昔はもっと群舞でも人数が多かったらしい。客が増えるのに反比例で、舞台の上が淋しくなったとの声が聞かれました。客席の和服グループは、呉服屋さんのご招待だったりするようで、京都の人かどうかは一目でわかるのだとか。特に、パナマ帽をかぶった40前後の大島アンサンブル--おそらくIT関係の社長であろうという男性--が数人。私の目にも、京都の旦那でないことは明らかでした。

久しぶりの文楽

文楽劇場

昨日は大阪文楽劇場で「菅原伝授手習鑑」を観た。引退を決めた人間国宝・竹本住太夫さんの「桜丸切腹の段」を聴きたくて。

切符は早くから完売。朝から並んで補助椅子席を確保。幕見を狙う欧米観光客がいっぱい。NYブロードウェイで人気の新作を観るのに、当日券狙いで劇場に並んだことを思い出した。

外国人でも気づいている文楽の魅力。大阪市長はなぜ、それがわからないのか、はなはだ疑問である。

2014年4月 文楽劇場へお召しで

大阪文楽劇場で「菅原伝授手習鑑」を観ました。引退を決めた人間国宝・竹本住太夫さんの「桜丸切腹の段」を聴きたくて。
切符は早くから完売。朝から並んで補助椅子席を確保。幕見を狙う欧米観光客がいっぱい。NYブロードウェイで人気の新作を観るのに、当日券狙いで劇場に並んだことを思い出します。
外国人でも気づいている文楽の魅力。大阪市長はなぜ、それがわからないのか、はなはだ疑問ですね。
文楽だと、ついお召しか紬を選んでしまう私です。柔らかものより着やすいのもあります。早朝から並んだので。
それにしても、文楽劇場で住太夫さんの浄瑠璃が聴けないなんて。文雀さん、蓑助さんとのトリオが観られないなんて。あー、やっぱり涙が出てきた。淋しい・・・。

2014年4月 献香祭は鶸萌黄の無地に葵文の帯で

鷺@上賀茂献香祭1汗ばむほど暑く陽射しが強かったこの日、鶸萌黄の無地に葵文(上賀茂神社の神紋)の帯を締めました。お香なのだから、誰が袖文とも思ったのですが、うまく結べず、締めなれた帯にしたわけです。
鷺上賀茂神社で志野流の献香祭が執り行われるのは、組香のひとつ競馬香が、5月5日に上賀茂神社で開かれる競べ馬から来ているからです。境内には埒が準備されていました。その様子を眺めながら、久しぶりにお家元とお話ができて、嬉しかったです。
一部、枝垂桜も残っていましたが、概ね眩しい若葉に包まれた境内。ならの小川の水を求めて、鷺が舞い込んでいました。鴨川から飛んでくるようですが、人間に対してあまりに無防備なのに、びっくり。