「サンデー・フロントライン」ニュース選定委員

 今年からテレビ朝日の「サンデー・フロントライン」ニュース選定委員に加わった。その第一回目を今日、自宅で見た。

 なるほど、こういう形で反映されるのだと、点が線になって像を結んだ感じだ。しばらくテレビから離れていた分、ほかの選定委員より視聴者に近い目線のはずなのだが、結果、どうやら私が重視するニュースは順位が低くなる。みな政局に関心が高くて驚く。番組HPを見ると、タイガーマスクのランドセルを10位にランクインさせたのは私だけだったらしい。

 この仕事は俳句の才能を要求されているように思う。ニュースの順位を短時間で決めるのは句会の選句と似ているし、言いたいことを短いコメントに込めるのも、俳句を詠んでいるようだ。

七草粥

昨日は七草粥。朝、近所のスーパーに出向いたところ、「昨日売り切ったよ。朝食べるものだからさ」と一言。

前日に買っておかなかった私が悪いと言われればそれまでだが、ちょっと気分を害しながら、さらに10分ほど遠い店に。大きい分だけ、仕入れが多くて売れ残ったのか、数パック残っていたので購入した。

クリスマスころから、花屋で売られていた七草の鉢を買っておけばよかったかと、途中後悔した。小さな鉢に植えられた七草を正月に愛でて、七日に食べるようにというのは、案外正解かもしれない。

不景気のせいか、今年は神社がことのほか初詣客で混んでいたが、日本の伝統行事を生活の中に取り入れることから、日本は力を取り戻すのでは、とこの8年ほど、歳時記どおりに暮そうとしている私である。

ブラジル初の女性大統領

ブラジルに女性大統領が誕生した。ジルマ・ルセフ新大統領、63歳である。 

ルラ前大統領の全面的支持があっての当選だが、アルゼンチンといい、オーストラリアといい、南半球に女性の指導者が次々登場していることは興味深い。

 ルラ前大統領は、自国の資源輸出で稼いだ分を貧困層にばら撒く形で底上げを図り、中間層拡大に成功している。90年代末、私の大学院同級生がブラジルの貧困やストリートチルドレンについて研究していたころには想像もつかない変わりようである。 

新大統領は若いころに投獄された経験の持ち主。その意味でも日本の政治家よりも根性は座っているだろうが、3年後のワールドカップ、5年後に控えたオリンピックに向けて発展を遂げ、中国の後に続くことは間違いない。 

余談だが、水晶の産地でもあるブラジルでは、米作りにクリスタルのサザレを使う農法が始まっているらしい。水田の水が浄化され、米が美味になるのだという。おそらく日系人の思いつきなのだろうが、農業でもブラジルの底力は侮れないといえよう。

新大統領は反日ともいわれるが、すでにブラジルの鶏肉を東京の店頭でよくみかけるこのごろである。

寒の入り

お正月は、年賀状書きとDVD鑑賞で終わった。帰省していた友人たちは、新幹線に空席をみつけられず、それぞれ苦労して東京に戻った模様である。 

私自身、この季節はつい鳥居をくぐってしまうのだが、仕事始めの日の午後は、サラリーマン軍団でどこも混雑している。初詣客が以前より多く感じるのは気のせいだろうか。 

明日は七草粥、などと考えながら外に出たら、寒い。毛皮が恋しい。手袋がほしい。東京なのに、この寒さ・・・。

 暦の上では寒の入りなのだから、これが本来の気候なのかもしれない。

新春のお慶びを申し上げます

窓の向こうのレインボーブリッジは七色のグラデーションに染まり、その先で短く新年の花火が打ち上げられ、東京タワーが白化粧をしたと思ったら、近くの高野山別院から除夜の鐘がーー。高輪の友人宅に招かれた私は、そんな環境で年を越しました。

あけましておめでとうございます。

昨年は『ワシントンハイツ』が第58回日本エッセイスト・クラブ賞に選ばれ、年末には4刷まで重ねるという幸運に恵まれました。支えてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

また、1月からテレビ朝日系「サンデー・フロントライン」のニュース選定委員に加わることになりました。スタジオには入りませんが、コメントは流れますので、日曜日の朝10時、ぜひ番組を見てくださいね。

昨年の元旦は小雪の舞う京都。今年は再び明治神宮の第一鳥居前で、表参道の先から上る初日の出を拝みました。『ワシントンハイツ』終章に書いたように、です。平成23年のご来光は、ますます眩しく、ゴールド度を増していたように私には見えました。この国の未来について心配は尽きませんが、かくも美しい日の出を見ると、日本はまだまだ大丈夫という気持ちになるから不思議です。

皆さまに幸多き1年でありますように。

平成23年辛卯正月

秋尾沙戸子

『ワシントンハイツ』が2位にランクイン、4刷へ

 これはニュースです! なんと『ワシントンハイツ』が、AMAZONで2位をつけていました。

といっても、12月第2週、「ラジオ深夜便」の放送終了後の出来事ですが・・・。私自身、放送直後に新幹線に乗り、そんな現象が起きていたころには京都取材。リアルタイムでチェックできず、そこまで上昇していたとは、つゆ知らず、だったのです。「週刊朝日」12月31日号81頁にその週のランキングが掲載されていると、編集者が教えてくれ、あわてて買いに走った次第。

おかげさまで昨日、4刷が完成したとのこと。ありがとうございます。もしも品切れと言われた場合は、在庫はありますので、ぜひお取り寄せを。

興味を持ってくださった方々に心から感謝申し上げます。

ホワイトクリスマスを逃した私

朝は早起きして、NHKBSで海外ニュースを見る。もちろん、どこの国のニュースもそれぞれバイヤスがかかっているが、それを見比べることのほうが、日本の横並びのニュースを見るより、ずっと意味があるからだ。

欧米のニュースは日々豪雪について報じている。先日、ある友人(日本人)の携帯に電話をしたら、イタリアに出張中だった。雪で飛行機のダイヤが乱れ、移動に苦労していると話していた。アメリカ東海岸でも今年は雪が深いらしい。私がワシントンDCにいたときにも、数十センチの積雪を経験し、スノーブーツを購入した。積雪の朝は小中学校はもとより、大学や官庁までも休みになり、その後は地面が凍結して閉口したものだ。

それでも、それがことクリスマスイブとなれば、ロマンティックだろうなあと思う。石造りの建物が綿帽子をかぶった様は赴きもひとしおで、キリスト教文化圏はかくあるべき、という光景になる。深い雪の中、教会のミサに出向くのも、さもありなん、という感じである。

実は当初、21日からアメリカに行くことを予定していたのだが、日本にいるべき事が次々に入り、おとなしく留まることにしたのである。もともとクリスマス休暇で議会図書館も公文書館も閉まっている季節ではあるが、ホワイトクリスマスは体験したかったと残念に思うここ数日である。

欧米のクリスマス明けには、バーゲンセールが始まる。思い切り値段を下げるので、人々はデパートなどへ殺到する。リーマンショック以降、経済が落ち込んでいるはずのアメリカなのに、セールとなれば、人々の消費欲は止められない。その場に居合わせないことも、また残念ではある。

水漏れ騒動のその後

東京にしては寒い夜が続いている。毛皮が着たくなるほどだ。クリスマスの昨日は、つい手袋までしてしまった。そして夜は人形町で「もつ鍋」を食した。タイから来た友人たちと一緒に、である。

さて、今日はといえば、水漏れ騒動の後始末である。結局、便器を新しくした際に配水管をいじったことが原因で、階下の壁にまで水が伝ってきていたことが判明。上階の工事は23日に終了したが、階下のカマル・クッチール(インドネシア語では「小さい部屋」と表現する)の壁紙はりかえを業者の責任で行うことになった。26日の日曜日か年末でないと立ち会えないので、今日になったというわけだ。

こんなに小さな部屋のはりかえなのに、朝8時から夕方5時までかかるとは、ちょっと不思議な仕事ぶりなのだが、その間、キッチンとリビングの片付け+掃除、窓拭きができたので、それはそれで意味があった。

冬至のときの柚子を使って、バスルームを磨くなど、気づいたらエコ掃除をしている自分がいる。できれば、スチームの掃除道具を買ってみたいのだが、置くところがないのが難点である。

東京を見下ろすイブの夜

こんなタイトルをつけたら、いかにも私がヘリコプターで東京夜景遊覧をしたかのように聞こえるかもしれない。だが、私は単に見上げる立場にあり、しかし、偶然にもその存在に気づいただけのことである。

夕刻より地上にいれば、あまりにヘリの音が気になり、某ビルディングの中上階に降りれば、窓からヘリのライトが行き交うのが目立ったため、テレビ報道で知った遊覧ヘリのことを思い出したのである。

みんなお金があるんだねえ、と友人は呟いたが、その遊覧を楽しんだのは、若いカップルとは限らない。下心持ったオジサンが若い女性を誘ったのかもしれないし、あるいはウルトラリッチな中国人だったかもしれない。もしも、リタイア組の日本人夫婦だったりしたら、美しい物語になるのだが、そのケースはかなりめずらしいと思われる。

タクシーの運転手さんいわく、「東京に来る中国の人たちは極端ですよね。マナーがなっていない観光客もいれば、大金持ち風のビジネスマンもいる。有楽町のペニンシュラホテルにお泊りで、家族を浦安のディズニーランドで遊ばせて、自分は日中仕事を片付けて、家族を迎えに行くんです。タクシーで往復してくれるので、こちらは嬉しいですけどね」

たとえばCITIバンクで1千万円以上預けているゴールド会員枠には、やたらチャイニーズが増えているという。企業に属していて、東京に家族とともに転勤になっている人々だ。もちろん中国元より日本円が安全だから預金も投資もするのだろうが、その分、日本人より主張も激しく、手ごわい顧客であるらしい。

日ごろは公共交通機関を利用して歩くようにしている私だが、師走はタクシーによく乗った。地下鉄やバスでは、移動中に電話ができないからだ。その出費を考えると頭痛を起こしそうになるが、それでも、運転手さんから色々な話が聞けるので、実は倍の価値がある。

12月23日朝

今朝、東京駅に向かう途中で目にしたもの。六本木の交差点を渡る朝帰りの女子たち。皇居周辺の一般参賀の準備。 

もしかしたら、平成になり12月23日が祝日になってから、どちらも定番の光景だったのかもしれない。休日前夜にノーテンキに飲み明かす若者がいて、お誕生日をお祝いしたくて、早朝から皇居前に並ぶ人々がいる。どちらも平和で豊かな、戦後の日本ならでは光景である。

 昨日は編集者と一緒に試写を観た。「英国王のスピーチ」。なかなかタッチイングでいい映画だ。そういえば、昭和天皇はどうやって演説を準備されていたのだろう。最初から演説は得意でいらしたのだろうか。じわじわと皇室のことまで気になってきた。

それにしても、なぜいまイギリス王室がテーマなのか、天皇誕生日の今日、じっくりと考えてみたい。