法然院の塔頭、金毛院の月釜へ。
少しだけ、色づいていました。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2017 年11月9日 朝活@平安神宮界隈
茶友が岡崎での朝活を呼びかけたので、即、名乗りを上げて、参加しました。早朝に外で頂くお茶の美味なこと。しあわせなひととき。
平安神宮の一の鳥居が私の背後に見えるロケーション。ロームシアターのすぐ近くです。
アイフォンで写真に収めてくださった男性含めての野点。何してはんのやろ、仲間に入りたいなあ、というオーラとともに、朝散歩の熟男熟女が、いぶかしそうに私たちを覗いていきました。
帯はリバーシブルの刺繍帯。前には紅葉、お太鼓はザクロ。
ちなみに、今日はベルリンの壁崩壊から28年。日本は平和だと、つくづく思います。
2017年11月 稲穂の帯@懐石秘密箱「開炉」
月に一度、懐石の勉強に励んでおります。私がお茶を習っていた時代は、お点前中心で、茶事の経験はとても少ないまま年を重ねたことを恥じておりました。このような機会が巡ってきて、とっても嬉しい。
11月は茶道のお正月。口切の茶事を意識しての献立でした。ゆえに、稲穂の帯です。きものには、松竹梅菊楓の刺繍がほどこされております。
2017年11月 京都市民茶会@二条城
おそろしくピーカン。あまりに陽射しが強くて、中高年女性が太陽光の下で写真を撮るのに、思い切り不向きですが――。
二条城で京都市民茶会が開かれ、初体験。本席が混んでいるので点心席に誘われてお蕎麦を食して戻ってくると、茶友が芳名帳に私の名前をみつけ追いかけてくれたので、ご相伴させていただきました。
連日、きものが続き、気候変動に沿って組み合わせを考えるのに脳が疲れている私。茶席には紬NGだから厄介です。
この日は、2日前と同じ母の小紋に、鳳凰文の綴れ帯。二条城は徳川家だから葵文の帯とも思ったのですが、うーん、葵は5月のイメージが強く、悩みに悩んで、襦袢のみ葵文に。
家に戻ってから茶席のきもの本を引っ張りだして、ほっとしています。11月3日に各地で開かれる大寄せの茶会は、小紋に、軽い織の名古屋帯で大丈夫と書いてあったので。
2017年11月 神明舎オープン記念講座
友人宅を学び舎にしようとしています。彼の家には祠があるのです。上御霊神社境内にある神明神社から、天照皇大神が分祠されたのだと今年になって判明。神社にもご相談の上、「神明舎」と名付けました。コレ、私のアイデアなり。
講座第一回は「密かに愛でる京の紅葉案内」。吉田塾仲間の中野さんが講師です。茶友の岩井敏子さんの呈茶付。
テーマにふさわしく、菊と楓の帯を締めております。火鉢でお餅を焼いて、お茶を点てて下さっているのは岩井さん。ほかの吉田塾仲間がかけつけてくれて、お土産に頂いた酒粕で粕汁を味わっている小さな打ち上げ風景。
2017年11月 古典の日フォーラム
11月1日は古典の日。京都国立博物館内での錦秋茶会→古典の日フォーラムへ。誰が袖文を選んだのは、古典の日にちなんで。ここでは、国際会館での写真を掲載します。
「やあ、秋尾さん」
フォーラムでは最後に登壇した磯田道史さんにロビーで声をかけられ、一瞬、エンジン01文化戦略会議オープンカレッジのような空気に。いま彼は京都在住なのですね。古文書を切り口に古典の大切さを訴えてくれた磯田さんの話は、いつもながら説得力があって、しっかり背中を押してもらいました。
前半に登壇された大宗匠は、その後、護王神社に向かわれたと、知り合いのFB記事で判明。鼻の奥がつんとして風邪ひきそうだった私は、猪子祭もお餅つきも放念して帰宅してしまい、少し心残りです。
2017年11月 誰が袖文で京都国立博物館の茶室へ
京都国立博物館に、茶室があるの、ご存知でしたか?
錦秋茶会と銘打ったお茶会にお招き頂きました。思えば、炉開き。京博の敷地内ですから、三期に入った国宝展を見て帰るのが理想ですが、11月1日は古典の日。国際会館へと向かったのでした。誰が袖文を選んだのも、そのため。
2017 年10月 雷神の帯で国宝展へ
今日終了の二期。金土は20時までだからと昨日18時過ぎに雨の中、出かけたら、館内はそれなりに混雑。雷神の帯ゆえ、風神とともに写真を撮りたいと行きずりの若いカップルにお願いしたところ、国宝の文字が下半分になっております(帯の皺は、この姿で天橋立からの特急に揺られたため)。コスプレ目線からか雷神の帯に二人とも過剰なほどに反応。あのカップルが今後、着物ファンになれば和服普及に一役買ったことになるはず。ふふふ・・・。
さて、一期はご招待の方のご相伴にあずかり、二期は、還暦祝に頂いた前売り券で入場。一期とほぼ同じなのですが、今期は、以前臨書した最澄の「久隔帖」と、曜変天目(龍光院天目)が目的。まずは1階の陶磁へ直行し、並ばず外側から拝見。その後、最澄と空海の書を見て、再び1階の列に並ぶ。
やっぱり違います。正面から底まで覗かないと、あの輝きを目にできないのです。しかし、感激もつかの間、早く進まないと叱られるので再び後ろへ。計3回並んで拝んで、時間切れとなりました。
2017 年10月 金毛茶会@高台寺
久しぶりの金毛茶会。今年は高台寺で開かれるというので、万難を排して伺った。小雨には閉口したが、これまで立ち入ることがかなわなかった傘亭に足を踏み入れることが最大の楽しみだったのです。
なるほど、天井は開いた傘を下から見上げたような感じ。屋根裏の竹垂木が頂上の一点に集まり、そこを一本の束が下から支えた構造で、バリ島のコッテージホテルを彷彿とさせます。秀吉の時代にこんな構造の茶室が作られたことが興味深い。
濃茶席、薄茶席、香席、点心席と、混雑を避けて上手にまわろうとするのだが、子どものいる人たちは、ディズニーランドでそんな工夫をしているに違いない。そう、お茶会はテーマパークを彷彿とさせます。
人生3度目の香席(志野流)では、めずらしく聞き当てられたことが、とっても嬉しい。
着物はライオンの金毛にふさわしい色を選び、帯、お太鼓は菊づくし、前は紅葉。
終わった後、京都文化博物館に立ち寄りました。思った以上に和服が似合う空間。
2017年10月 フォーラム「古都の借景」
明日の京都文化遺産プラットフォーム主催第七回フォーラム「古都の借景」で、パネルディスカッションのコーディネーターを勤めました。
登壇されたのは、平等院住職・神居文彰さん、圓通寺住職・北園文英さん、作庭家・小川勝章さんです。神社を中心に京都を巡ってきた私でしたが、フォーラム準備のために、仏閣・名勝について多くを学ばせて頂きました。このような機会を頂いたことに感謝です。