2013年11月 陰陽の雪輪文

DSCN0010新嘗祭。上賀茂神社の紅葉は3-4分といったところでしょうか。今年は陽射しが強かったので、赤がいまひとつなのだとニュースで言っていました。そんな中でも、奈良の小川のほとりにある紅葉は見事に紅く染まっていました。DSCN0020
小雪。新しい節気のこの日は新品を使い始めるのにも適した日といわれます。ゆえに、漆に金銀の雪輪文の帯をデビューさせた次第。陰陽二つあるところが、上賀茂神社にぴったり。着物は母が平成になってから買ったものと思われます。七五三男子
境内には七五三の子どもたちが何組も。双子女子と同級生男子に、ついレンズを向けてしまいました。京都で七五三双子は13歳を祝う十三参りが基本で、七五三を祝うようになったのは、ごく最近のことだそうです。

2013年11月 幾何学文の大島紬にシクラメンの染帯

大島にシクラメン
黒地に緑の幾何学文様の大島紬。きものを始めてすぐに着たいと思ったうちの1枚。大島は母がよく着ていたので、裾は磨れ、胴裏にもシミがあったため、まずは洗い張りに。既製の裾回しには納得のいく色がなかったので、エメラルド・グリーンに染めてもらいました。初心者なのに、大胆でしたね。文様は面白いのですが、緑が深くて沈んでしまうので、チラっと見える袖口と裾回しを明るくしたかったからです。
そうまでして仕立てたのに人前で頻繁に着ようとしなかったのは、着心地に反して老けて見えてしまうから。本当は年相応に見えるだけなんでしょうけど、それはそれで本人はショックなものです。いっそターコイズブルーにすれば、もっと派手になったでしょうか。でも、当時は緑には緑、と思ってしまったのでしょうね。
襦袢はエンジェル柄。シクラメンの帯はクリスマス前によく締めています。二日前、お茶屋さんにお話を伺ったときには、ターコイズの鮫小紋にこの帯を締めてでかけ、お褒めにあずかり光栄でした。
インタビュー前にお土産を買いに寄った堺町の和久傳にて撮影。コミュニケーションに+するといわれるラリマーのブレスをつけています。

2013年11月 普段着の大島紬に琉球絣の帯

大島2この大島はよく着ているので、埃っぽさはない。おそらく母が若いころに着ていたのだろう。身幅など、小さい。
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赤い帯でもいいのだろうが、つい花に近い色の帯を締めてしまう。琉球絣。青山みともさんが健在だったころ、自分で購入。
以前は帯締を藍にしていましたが、春にご指摘を受けてから、同系色を探しています。まだ納得のいくものに出会えないので、母の縞(赤、青緑、濃紫)で。帯揚は青緑。大島3ただし、前はこの幾何学と喧嘩になるので、模様が出ない側を前に持ってきて締めています。

2013年11月 相嘗祭に葵文を

上賀茂神社の「相嘗祭」に参列しました。直会で頂いた神酒がいつもと違うと思ったら、できたての新酒。なるほど、白くにごっていたわけです。葵帯1
その年の新穀と新酒を伊勢の天照大神に奉られるのが「神嘗祭」。天皇がとくに信仰された全国71座の神々に奉られる祭儀が「相嘗祭」。天皇ご自身が召し上がるのが「新嘗祭」。戦後、新嘗祭は「勤労感謝の日」と呼び名を変えられ、日本人のお米への感謝意識が消えていきました。が、天皇はいまでも、この新嘗祭が終わるまで新米を口にされないそうです。
この日は太陽の陽射しがまぶしくて、つい傘を持たずに出かけたところ、突然に冷たい雨が降り出し、着物と帯を守るのに苦労しました。京都ではこれを「北山時雨」と呼び、「こういう年には雪がよく降るんですよ」と禰宜のお一人がつぶやいておられました。たしかに、霙を思わせる雨でした。近くは晴れているのに。
葵文の染帯、この日がデビュー。というより、この日に間に合わせて京都で仕立ててもらいました。東京・青山の「くるり」さんでみつけたのですが、仕立てに時間がかかることがわかり、京都で無理をきいてもらったわけです。上賀茂神社の神紋は、陰陽の意味を持つ二葉葵。黒と茶の文様は数多あれど、こんな優しい色使いはめずらしく、葵祭にも締められそうです。なにせ葵祭では、着物も帯も葵文オンパレード。葵なしでは、少し恥ずかしいくらいです。

2013年11月 花織の帯on麻の葉文の大島紬

大島紬の着物は母が好きだったらしく、何枚かあるのですが、地味で年相応に老けて見えてしまうのが難しいですね。だからつい、黒地に幾何学のようなものを選び、オーソドックスな柄は避けてきました。なかでも、この麻の葉文は今年初めて袖を通したもの。着ると埃っぽくて、少し悔やまれました。
裾まわしが桜色なので、帯に花織を持ってきました。幾何学×幾何学に抵抗がなければ、面白いと思います。
孔雀の屏風は紫織庵さんの町屋に飾られています。1枚はフラッシュあり、1枚はフラッシュなし。後者は桜色の裾回しを見ていただくために掲載しました。帯締、帯揚も同系色です。

2013年11月 赤黒の大島紬で正倉院展へ

奈良紅葉2013奈良の正倉院展、最終日に駆け込みました。木々が美しく色づいているといいたいところ。でも、それはほんの一部で、真っ赤になるまで、あと2週間くらい必要ですね。京都駅から奈良までは近鉄で40分。何を迷うことがあろう。せっかくだから、行くでしょ。
毎年開かれている正倉院展。期間が2週間余なので、東京からだと、つい見逃しがち。でも、信長が執着した香木の蘭奢待(らんじゃたい)が公開されたときには、根性出して訪れています。
正倉院展2013 ★最終日だから混雑を覚悟したものの、16時前で全く並ばずに入場。拍子抜けです。平日なのと雨が幸いしたのでしょう。音声ガイドに倣い、じっくりと拝見できました。
正倉院文様の帯はいろいろあるのですが、格が高すぎて、美術館めぐりには不向き。なので紅葉を意識して赤の入った大島を着たのですが、展示されている平螺鈿背円鏡を見て、急に思い出したのです。螺鈿入の黒い帯を思っていたことを。お召しにその黒い帯を締めてくれば良かったなあ。かなり残念。
余談ですが、アルバムを整理していたら、幼いころ鹿に餌をやっている写真が何枚か出てきました。私の記憶が正しければ、奈良にドリームランドという遊園地があって、そこに何度か来ていたのです。名古屋から奈良も、近鉄を使うとアクセスしやすかったのでしょうか。

2013年10月 鮫小紋に若冲の雨龍図

わくでん1 sepiaiphoneの調子が悪いらしく、色がちゃんと出ません。東京からいらした方と神社めぐりをした後、堺町和久傳の1階にて。中庭の向こうは、食事ができる料亭の室町和久傳です。
ターコイズの鮫小紋に、若冲の雨龍図を締めています。帯留めも翡翠の龍。だから、帯揚げもタイシルクのグリーンです。