2014年9月 狂言鑑賞、お茶会へ 貝紫づくしで

IMG_1156IMG_11459月の最終日曜日。お世話になった方の狂言発表会を観に、金剛能楽堂へ。その後、二条駅から亀岡へ。楽楽荘での「茶狂会」に出るためです。夜は地鶏と松茸のすき焼き。
暑い。日差しが強い。サングラスなしで歩けない。単衣でいいのですが、何枚もあるというのに、、ほとんどの袖が五寸丈。五寸といえば、くもの巣文の絽の襦袢。夜は涼しいからと、迂闊にも手入れに出してしまった。わー、三寸を着るしかない
皇帝だけに許されたロイヤル・パープル。その皇帝紫の研究家で知られる吉岡常雄さん直筆の、皇帝紫を使った帯です。。染司・吉岡幸雄さんのお父上です。着物は青山みともさんの貝紫の紬。単衣仕立てです。袱紗も「よしおか」製、紫紺染です。お高いです。
実は、吉岡幸雄先生が菊池寛賞を受賞されたとき、式典にこの帯を締めていきたかったのですが、合う着物IMG_1155IMG_1116IMG_1128がこれしかなく、単衣なので断念した経験があります。だって、授賞式、12月だったんですもの。そんな時に備えて、八掛をつけて、人形仕立てにしようかな、とも思っています。5月6月には単衣のお召しを着てしまう私は、この着物を9月下旬から10月初頭にしか着ていないのです。だったら、いっそ冬でも着られるように、と考えているわけです。
写真は、陶芸家でもあるご亭主のアイデアで立礼用に設計されたもの。東京の高層マンションで暮らす外国人が部屋に置きたくなりそう。バックの屏風は、日本画家のお父さまの作品。28歳のときに描いたコンドル図屏風「飛翔」(第8回日展入選作)だとか。お菓子の栗も、ご亭主の平金氏自らが拾われ、白餡と練って下さったとか。軸は楽楽荘所蔵の狩野探幽による富士。点前座にはご亭主作の井戸茶碗と喜三郎の「老茄子茶器」。そうです。一富士 二鷹 三なすび・・・。お花は楽楽荘ご主人の中田智さんが生けられました。

2014年9月 逝く夏を惜しみつつ、上布に博多帯


洛中三条界隈。東海道につながる三条通には、明治の洋館がたくさんあります。DSCN0001
ご近所に住んでいるご縁で親しくなったお姉さまに、写真を撮っていただきました。素人なのに、自然な感じに撮影してくださり、ありがたい。
新しく手に入れた補正下着を着ているので、皺が消えたはず・・・。あ、皺は着物のです。顔ではなく。
DSCN0005染み抜きに成功し、今年初お目見えだった母の上布。何度も何度も袖を通し、大活躍でしたが、これで見納め。また来年。
 

2014年9月 観月茶会、重陽の節句

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昨年の重陽の節句には、この着物の存在をすっかり忘れていた私でした。こういうオーソドックスな着物は私好みではありませんが、菊文様ということで袖を通したのです。
奇数(=陽)の最高数「9」が重なる重陽の節句には、菊のお酒をいただきます(写真は昨年のもの。上賀茂神社でふるまわれた菊酒)。だから、菊の文様なんです。上賀茂神社での「重陽神事+烏相撲」には、菊かヤタガラスをまといたくなる。でも、9月9日ではあまりに暑い。だから、菊が描かれた絽を選んだのでした。この日は斉王代とその関係者も列席されるため、結果的には、はんな菊酒@重陽の神事-150x150り系の着物で大正解でしたけど。
京都では観月会があちこちで催されます。今年の中秋の名月はあまりに早く、重陽の節句の前日でした。よって下鴨神社の茶会にも同じ着物で出向いたわけです。
灰緑帯2★-83x300
そもそも、この秋草文様の絽は、この季節のお茶会などで必要かも、と買いおいたのでした。肩のところに撫子、裾には菊のほか萩も描かれています。
たいまつ個人的には9月初旬までは薄物が大丈夫と解釈しているものの、京都でも許されるかどうか実は不安でした。しかし、観月茶会に出られり方々なのでしょう。午後に街中で絽の着物を召されたご婦人を何人も見かけたので、胸を張って夜に着用したのです。欲を言えば、半襟を少し渋い色にできるとよかったのですが。
帯の写真を撮るの、忘れました。別の着物と合わせた過去写真でお許しを。
 追伸:二葉葵が神紋の上賀茂神社と下鴨神社なのだから、葵祭同様、葵文の紗袷でも良かったかも。こちらは来年の課題に。