いきなり36度9分、貴船神社の水祭

京都は今日、36度9分。熱中症に注意、と言われてしまうと、エアコンをつけよう、原発も仕方ないと思考停止状態に陥るから危険だ。そんな中で電力各社の原発再稼働への前のめり、気持ち悪い。安倍総理のスピード感は歓迎だが、参議院選挙、電力会社の組織票をバックに自民が圧勝するとすれば、有権者としては複雑である。

暑さのせいもあるのだろう。夜中まで起きていたので朝は寝坊して、「あまちゃん」をも見逃した。本当は早く起きて和服着て、貴船神社の水祭りに行くつもりだったのに、えーん、出かけたるの止めようかな。いやあ、洋服でも行くべきだ。風水的には「今年は火と水に注意」の年。水の神様には感謝をささげ、日本列島を守ってもらわねば。

舞楽 水祭り9時台の地下鉄烏丸線は若い人でいっぱいだった。これまでにない人口密度の高さは、前期の試験のせいだろうか。

さて、神社では最初の献茶式こそ見逃したけれど、神事、舞楽、式包丁は拝見できた。本来、貴船は涼しいはずなのに、テントで日よけできても暑かった。いや、テントの中だからこそ蒸した、ともいえる。隣のご婦人が聞いてきた。こんなに暑いのに、生のお魚大丈夫かしら、と。式包丁@貴船神社

彼女が言うのは、神殿のまな板の上の魚のこと。目の前で、烏帽子と狩衣をつけた料理人が、まな板の上の魚に直接手を触れずに料理していたからだ。これを「式包丁」という。神社の説明によれば、魚の切り方で吉祥を表し、食用ではなく、儀式として行われたとのこと。食べないのであれば、食中毒の心配もないのである。

お茶会のチケットを持っている人にはお弁当が配られていた。私もどこかで昼食をとらねば、暑さに負けてしまう。この季節の貴船は川床料理一色。川床なら涼しいのは重々承知しているが、どの店も7千円代のコース料理しかない。なので、冷房のきいた店で、そばを食することにした。

朝シャンする時間を持たなかった私としては、鞍馬に上がって温泉で髪を洗いたいところ。だが、地上に降りて、PCチェックをしなければならない。昨日校正に手直しを入れた対談ぺージのレイアウトが出ているはずなのだ。

夕方は宮古上布に着替えて紫織庵さんに出向いた。もう二度と織れないという麻の襦袢を春に買いおいていたものを、祖母の越後上布にあわせて仕立ててもらうためである。家に食材はあったのに、つい、六角通の沖縄料理の「あーぐる」へ。宮古上布が導いたとしか思えない。オリオンの生ビールとテビチを体が欲したのだ。

この暑さに、水のありがたみが身に染みた1日だった。

 

 

 

着物の縁、京都人のまなざし

いえもん3指輪でもペンダントヘッドでも、ラリマーを身に着けていると、必ず見知らぬ人に話しかけられる。この着物もなぜか、同じ現象が起きる。

三条通を歩いていたら、二人のお姉さまたち(芸妓さんではなく、主婦風)がこちらを見て何か話している。京都だから、きっと私の着方に不都合があるに違いないと怖れおののいていると、「かわいらしいね」と大きい声で話しかけてくれた。おおきに。いやあ、ほっとしたわ。

以前も東京で某料亭の女将さんに「かわいらしい着物やね、そんなん今ないからね」と言われたことがある。若々しい柄の絽の着物が減っている中、60代以上の女性には、その価値がわかるのかもしれない。これは洗い張りした状態で箪笥にあったもの。

他方、京都人は男たちも着物にうるさい。「祇園祭が始まったら、毎日、着物やろ」と言ったのは祇園の旦那衆の一人。なるほどと思って、写真撮影が大変な取材以外は和服を着ているのだが、汗をかくので、襦袢を毎日洗いたくなるのだ。 正確には襟のつけかえが面倒なので、襦袢ごと洗えるのが便利。今年は絹でも洗える襦袢を新調したくらいだ。

午後、街を歩いていて遊説の気配にそちらに行ってみると、市役所前に黒山の人だかり。目的は安倍総理。地元の候補者ではないようだ。暑さのあまり御池通りにある店に入りアイスコーヒーを飲んでいると「絽の着物は暑いやろ」と隣の中年男性が話しかけてきた。スタッフの札を下げていたから、地元の党関係者らしい。

もちろん、さらっとした肌触りの上布のほうが涼しいに決まっている。でも、前の晩に着たから、麻の襦袢は洗濯してしまった。今日は晴れていないのをいいことに、絽の襦袢を纏い、絽の着物を選んだのだが、こういう突っ込みをする京都の男はん、どないなん。せっかくお姉さんたちがほめてくれはったのに。やっぱり京都人は厳しおす。

ところで、この季節はつい生ビールを欲してしまう。まだ明るくても夕刻になれば、伊右衛門カフェでプレミアムモルツのハーフ&ハーフを飲みたい衝動を抑えきれなくなる。最近はPCコーナーがあるので、「おひとりさま」でも気楽に入れるのがうれしい。

ビール片手にPC検索をしていたら、突然、雨が降ってきた。天気予報を見たら、18時以降は40%になっている。途中で変更したのだろうか。いつもは曇りでも小さな折り畳み傘を持ち歩いてくるくせに、置いてきてしまった、今日に限って・・・。あーあ、ユーミンのDESTINYの気分。大粒の雨だし、着物だし、濡れるわけにはいかない身。幸いPC待ち客はいないので、食事を追加注文して、雨が止むのを待つことにした。

 

吉符入の儀

吉符入の儀3吉符入の儀@四条三代の顔吉符入とは、各鉾町ごとに行われる神事始めのこと。祭神をお祀りして、祭りの無事を祈願します。それ以外の打ち合わせや、囃子方の練習など。

1日にデビューしたお稚児さんは、2日間の稽古を経て、この日、神事の後、初めて稚児舞を長刀鉾の役員の前で披露しました。

2回で無事合格が出ると、今度は四条通で待つ一般の人々の前で披露。山鉾巡行のときには、これを長刀鉾に乗って、披露することになります。

お稚児さんの後ろには後見?のような人がいて、しっかり支えています。だから、町会所の2階からこんなに身を乗り出しても、大丈夫なのです。

背後では、笛や太鼓など、囃子方が演奏していました。当日も鉾の中で演奏する面々です。

お稚児さんの冠は、蝶トンボの冠と呼ぶそうです。クジャクの羽根はトンボの羽根を表すのだとか。

後ろに立っているお父さんとお爺さんがあまりにそっくりで、お孫さんも将来、同じ顔になるのかなあ、などとカメラ越しに思った私です。

お千度の儀

お千度の儀祇園祭は7月1日から始まります。四条通はもう祭一色。提灯2

八坂神社ではお稚児さんのデビュー。本殿を千度まわります。本当は三回ですが。お供の数を入れて、千回とみなすらしい。

両脇をかためるのは、父と祖父。素手で手をつなぐことは許されず、白い布を通して結ばれているのをご確認いただけるでしょうか。白塗りも神さまだから透明なのだとか。歌舞伎役者とは違うのだそうです。

提灯お千度の儀2

夏越の祓

人形水面

風そよぐ ならの小川の 夕暮れは
            みそぎぞ夏のしるしなりける

この歌に詠まれた「みそぎ」が上賀茂神社で行われました。

神官が人形を1枚1枚ならの小川に流し、火と水によって穢れを落としていくという神事です。