私が暮らす町会では、地蔵盆が六角堂で行われます。子どもたちの写真はアップできないので、私がご焼香させて頂いた折の写真でお許しを。母の上布に紗献上の帯で。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2017年8月 五山の送り火
東山の大文字が見えるマンション住まい。これまでエアコンの効いた部屋で静かにご先祖さまをお見送りしてきた私ですが、今年は京都御所からお送りすることにしました。日ごろ御所の中を歩くたび、東山に大の字が浮かび上がるのが気になっていたのです。
空いていると思ったのは大きな間違い。皆さん、よくご存知でした。19時ころから座り込んでおられます。
20時に点火されてからはご先祖さまに感謝をこめて手合わせしつつ、しかし途中、大文字を背景に写真を撮ってもらおうと試みたのですが、真っ暗なので、カメラの在処がわからず、適当です。
2017年8月 送り火の朝、護摩木にご先祖さまの名を記す
今日は五山の送り火。お盆でお帰りになっていたご先祖さまをお送りする日。
室町以前から存在する石不動さんがこの日は特別に御開帳されるというので、金閣寺へ。かくも暑いのに、ものすごい人で、定番のアングルからは金閣寺を撮影できず。横と裏から。
金閣寺入り口では、左大文字で燃やす松の木や護摩木が用意されているので、ご先祖様の名前を記入。昨年、松の木に挑戦したのだけれど、名前が書きにくいと知り、今年は護摩木にしました。
その後、東の大文字に名前を書くため、バスで銀閣寺麓へ。夜に手を合わせる大文字で燃やしてもらうため。金銀梯子は、陰陽道的にも正しいのではないでしょうか。
帰りはワールドコーヒーで涼をとり、いったん帰宅。道行く女性に2度、声をかけられました。どうやら、このコーデは京都のお姉さまたちに受けがいいようです。ぼかしのバッグは北観音山の「ええもんや」さんで、祇園祭の折に購入。
2017年8月 お盆にハスを観に行く
お盆です。京都では、街全体が先祖供養モードです。明日は終戦記念日でもあります。皆さまのご冥福をお祈りする日々――。
ならばハスの花。植物園に足を運びました。
池のハスはほぼ終わり。数少ない花をバックに撮影するのは難しく(右上)、しかし、奥に置かれた鉢植えの花は美しく咲いていました。そういえば、十日ほど前に訪れた平等院では、鉢のハスも見事でした。人の手が入ると、いい形で咲かせられるのかもしれません。
最後に、池の畔に腰かけてみたのですが、カエルの声が大きく響き、見ると、茶色く大きいウシガエルが・・・。えーん、やっぱり若冲のカエルの帯を締めてくるんだったと少し後悔。さんざん迷ったのですが、暑くて暑くて、流水の帯で涼をとりたくなったのでした。
2017年8月 糺の森へ
下鴨神社の糺の森へ。ここには多くの精霊が宿っていると感じます。
日本とは限らない絵画のような世界――。
訪れた目的は、古本市が開催されていたから。真夏に本を見て歩くのは、楽しいけれど、疲れます。
2017年8月10日 誕生日
無事に誕生日を迎えました。
妙心寺から一旦帰宅し、三条通のバーで祝ってもらいました。
20代から着ていた赤い紗のきものに、龍の丸文の帯。
2017年8月 お迎えの鐘をつきに
母方の菩提寺は妙心寺。
毎年お盆の季節になると、妙心寺にお迎えに行きます。卒塔婆を書いていただき、お迎えの鐘をついてきます。以前は三代にわたるご先祖の戒名を書いてもらいましたが、いまは●●家先祖代々にしています。
21時までなのですが、ぎりぎりに伺うのが混雑を避けるコツ。タクシーを待つ間、空を見上げると満月が――。この後は、着替えて、誕生日カウントダウンへ。
誉田屋製花火文の浴衣。麻の葉文ターコイスの付け帯にラリマーの帯留。濡れても大丈夫な装いで。バッグはタイのジムトンプソン。
2017年8月 秋アザミ
写真は、誕生日宵宵山の祝宴@ぎおん楽楽です。
先日の祝宴ではアザミは遅いかと選ばなかったのですが、秋アザミと思えば着られると、今宵は選んだ次第。帯は母の絽綴れ。帯留はラリマー。
東京での祝宴でも、同じ組み合わせで。東京の女将さんたちには、鮮やかな青が大受けでした。
黙祷を捧げます
2017年7月 祇園にて
閉店するエルメスを訪れ、祇園を歩いていたら、
「いやあ、お姉さん」
と声をかけられて振り返れば、山鉾巡行でお会いした舞妓ちゃんではありませんか。いつの間にか声をかけられるほど馴染んでしまった自分にびっくり。
「いやあ、うちスッピンで」
そんなあ。若いんだから、スッピンで十分でしょ、と思わず言いそうになったのですが。舞妓ちゃんはお仕事のときは白塗りですものね、意味が違うんです。
琉球絣の着物には、同じくシブい色を合わせるか、朱を合わせるかなのですが、つい朱を選ぶ私。舞妓ちゃんのマネをしているわけではありません。ちょっとエルメスオレンジ意識したのですが、このコーデは、松八重の女将さんに褒められて、とても嬉しかった覚えがあります。





















