早咲きの桜を探すなら、出町柳の長徳寺。カメラマニアの間では有名なのです。
吉田塾仲間の八木沢哲雄さんのご相伴にあずかり、桜狩りへ。
朝9時に集合。カメラを向けていたのは、わずか6名ほど。よって、桜バックの写真が可能になりました。
実はこんなに咲いていると思わず、桜色の着物を纏ってしまった私。花の色と重なりそうで、しかし濃淡が面白くもあります。
このオカメ桜は、カンヒザクラとマメザクラの掛け合わせらしい。ボリュームがあるので、桜を目指して京都を訪れ、期待を裏切られた人々には、救いの女神とさえなり得ましょう。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2017年3月 伊勢神宮参拝 まずは二見から
2017年3月 ひいなの帯で、杉本家へ雛飾りを観に

杉本家の雛飾り、公開最終日に駆け込み入場。
杉本家に代々伝わる明治時代の有職雛は「源氏枠」という吹き抜けの御殿飾り(写真上)。ほかにも歴代当主夫人の生家から贈られた享保雛や古今雛、立ち雛、市松人形など、時代もいろいろです。雛飾りは本来、内裏雛だけが基本で、三人官女や五人囃子は、後から加わったのだそうです。
ひいなの帯はずっと探し続け、昨年ようやく出会ったのです。内裏雛とともに鳩が描かれているのだから酉年にふさわしい――。などと勝手に決め、雛飾りを見て歩きました。着物は、先日の青の紬のほうがインパクトはありますね。少なくとも、現代的な印象にしあがります。
2017年3月 古渓忌の茶席へ
2017年3月 紅椿の帯で、花灯路の石塀小路へ


先日の吉田塾の後、花灯路の石塀小路を歩きました。この日が最終日。
東山花灯路は、八坂の塔から北へ、東山界隈の神社仏閣がライトアップされる春の行事です。なかでも路地行燈に照らされた石塀小路の風情は、なんとも幻想的で、人が少なければ、そこに身を置くだけで、とても幸せな気持ちに浸れます。
写真はすべて、塾仲間の八木沢哲雄さんにお願いしました。夜、人のいない隙を狙って撮るのは難儀で、感謝の気持ちでいっぱいです。

足元にご注目あれ。祇園ない藤さんのお草履のデビュー。緑と黄色のコンビなので、この帯なら合うと信じて。後ほど、草履そものをアップしますね。
撮影の後は、ぎおん楽楽へ。ご紹介頂いた女性客陣のコメントは、帯が変わっているから気になっていた、でした。随分前にアンティークのお店で購入。当時は、誕生石のペリドット色にこだわっていたため、目に入ったのだと思います。東大寺修二会のころに締めたくなる紅椿文。作り帯に加工してあるので、急いでいても、すぐに締められます。
書きながら気づきました。この帯にはペリドットの指輪が似合ったのに、すっかり忘れていました。
2017年3月 大徳寺玉林院へ
2017年3月 北野天満宮へ 梅文の帯で
2017年3月 梅小路公園
2017年3月 法要の装い:祖母の十三回忌は提婆品の帯で
3月11日は祖母の十三回忌。厳島神社に清盛が納めた平家納経の提婆品(写真左)をモチー
フに織られた帯をデビューさせました。法華経の十二品「提婆達多品」は、女人成仏を謳っており、祖母の成仏を願う意味もあります。
この重厚な帯に合う色無地が我家にはなかったので、京都で誂えました。七回忌までの法要には派手かとも思ったのですが、親戚だけが集まる十三回忌の法要であり、普段はお茶席で着るだろうと考えての選択。これ以外に、チョコレート色、ラピスラズリ色、深緑も候補でした。チョコ色はお茶席でよく見かけるので止め、ラピス色は華やか過ぎるので止め、結果、北極星の色にした次第。地紋は、高野槙。めずらしいですね。
色無地は、すでに京都と水戸で着ています。鳳凰の帯以外にもいろいろ合わせやすいので、満足しています。
2017年3月 吉田塾へ紅椿の帯で

東大寺二月堂の修二会の季節。3月半ばまでは紅椿を纏いたくなります。
母の紬に紅椿の帯を締め、吉田塾へ。
伺ってみると、雛飾りが・・・。そうです。京都の旧家は、旧暦で飾るところも多いのです。今年は30日がその日にあたるとか。だったら、ひいなの帯を締めたらよかった、と一瞬思ってもみたけれど、いえいえ、吉田孝次郎さんは東大寺のお水取り(修二会)の話をされると確信していたから、この帯を選んだんです。その予感は的中しました。これでいいのです。
二月堂に鎮座する十一面観音に捧げる椿の造り花の和紙は、染司「よしおか」が黒谷の和紙を紅花で染めて納めています。試別火 (ころべっか) という修行期間のなか、花拵えの日に連行衆と堂童子が拵えるのです。支子で染めた黄色い和紙を花芯とし、紅花染めの赤3枚と白2枚の和紙で椿の花とします。吉田家の玄関には、その椿が飾られていました。季節の室礼、さすがです。
今回のテーマは朝鮮毛綴れ。野生のヤギや羊の毛で織り、綴れの上に絵を描いています。触ってみると、ザラザラしています。山鉾の懸装にも使われた時代があり、山鉾町には数点、残っているようです。この手法は世界でも朝鮮半島にだけ存在するのですが、
韓国からいらした方によれば、
すべて織る手間暇をかけて表現せず、色を塗ってしまうところが、朝鮮民族らしいとのこと。アジア各地を歩いてきた私の浅い経験でも納得してしまうお言葉。実際、その血を引く末裔が仰るのだから、なるほど、そうなのでしょう。




















