会田雄亮先生の一周忌を前に、回顧展が伊勢丹で開かれました。ネスカフェのCFをご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんね。先生の作品は、京王プラザホテルで確認できます(写真右)。
そもそものご縁は、鳥居ユキ先生のコレクションで、毎年2回、お目にかかっていたのです。
国際情勢を議論したり、先生の知性にふれることは、貴重な経験でした。また、富士山の麓にある工房で、てびねりの焼き物に挑戦させていただいたこともあります。

そんな思い出のスナップをここに掲載しつつ、改めて、ご冥福をお祈りします。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2016年11月 古典の日フォーラム
11月1日は古典の日、と制定されて5周年の今年、原点に返って、源氏物語に特化したフォーラムが開かれました。会場はロームシアター京都。
登壇したのは、瀬戸内寂聴さん、林望さん、中村勘九郎さんなどなど。
京都では紅葉はまだまだ。祖母の紬に、椿と石榴、リバーシブルのアンティーク刺繍帯。お太鼓は石榴をを出し、前は紅葉&紅白の椿で(裏は南天)。和服を着始めた初期のころに出会った帯です。今年、勇気を出して、つくり帯に加工しました。だから、すぐに締められます。バッグはタイのジムトンプソン製。色違いも含め、数年前にバンコクで購入しています。
紬は以前書いたように、本場結城紬と書いてあった反物が、実は石下産だったというもの。ぼかし具合が便利なので時々着ます。いまは単衣なので、これを人形仕立てにするかどうか思案中。襦袢は紫織庵の天使文です。
思えば、古典の日なのだから、誰が袖文の帯でもよかったような・・・。
2016 年10月 上賀茂神社の祝宴

昨年、本殿の遷宮を終え、天皇皇后両陛下も参拝された上賀茂神社。僭越ながら、とある祝宴の席に寄せていただきました。

こういうときは当然、上賀茂神社にまつわる着物で出席をと考えるのが筋で(と私が勝手に考えているのですが)、帯を葵桂か、八咫烏か、迷ったあげく、秋らしい色の母の着物に、この葵の帯を締めることにしました。紫と紅に加え、赤茶色の葵もあるゆえ、着物と調和させられたわけです。桂がスサノオブルーなので、帯締めとラリマーをそろえてみました。あ、襦袢は丹塗りの矢を意識して、赤の矢絣です。後で写真をアップしますね。
ホテルのお料理も負けてはいません。上賀茂神社境内を模したオードブル、丹塗りの矢、二葉葵を描いたデザート。今回は、賀茂別雷神への崇敬度を、シェフと競う形となりました。
唯一の後悔は、指輪。葵にあわせて、ハートモチーフにすべきでした。
2016年10月 袷風の人形仕立てが便利

まだまだ暑い10月初め。何を着たらいいのやら。この日も30度。
袷の10月に投入して、単衣がはばかれるお席に備え、1枚持っていると便利なのが、人形仕立て(胴抜き仕立て)。単衣なのに、袖口と八掛だけつけて袷に見せているのです。この貝紫の紬につけた八掛は3本の矢。
未生流家元・笹岡隆甫さんを囲む会にお招きを受け、抽象的な花の帯を選びました。着物は貝紫。紬でいいのか迷いはあるものの、暑いから、人形仕立てを選んだわけです。京都らしく、会場の皆さまは柔らかものの和服。紬の私は少し形見が狭かったのですが・・・。
同じ貝紫でも、本当は、秋山先生の小石丸に袖を通したかったのです。が、そちらは袷仕立てなので、あまりの暑さに断念。小石丸は糸が艶やかなので、全然印象が違ったはず。もしも間違って、着てしまったら、汗だくで、とんでもないことになっていましたね。なにせ30度ですから。襦袢だけでも絽にしたかった。
5日後、東京で開かれた新潮ドキュメント賞のパーティでも、同じ取り合わせで出席。
2016年9月 ヘアクリップ
最近は、こげ茶か黒のクリップで髪をアップにしておりますが、濃紺とシルバーグレーのリボンで成り立つクリップが出てきたので、龍の丸文に合わせてみました。
これには苦い思い出があります。歌舞伎座に、こげ茶のクリップで出向いたのですが、化粧室で束ね直しているうちに、パチン! 突然壊れたのでした。
これは一大事。次の幕間で、故・坂東三津五郎丈の楽屋に行くことになっていたから。とにかく何かでまとめなければなりません。あわてて地下のコンビニでゴムを買い、壊れたクリップを髪の上に乗せる形で、アップ風に見せることに成功しました。
その後、デパートに寄り、いろいろ探したのですが、納得のいくものがなく、このクリップを購入したというわけです。
教訓として、和服の時はせめてクシュクシュをバッグに忍ばせておくべきと学びました。
2016年9月 竹取物語
2016年9月 北斗七星の帯
2016年9月 白山神社 例大祭
2016年9月 京町屋で更紗コレクションを拝見

昼はKサロンに出席。日本文化に精通した方々の集まりなので、私も和服を纏うようにしています。ギブスのせいで帯を締めるのに時間がかかり、こんな事態に備えて、9月用の帯を二部式に仕立てておけばよかったと後悔至極。
烏相撲の日より暑ったこの日、単衣はとても無理と判断。矢絣文の夏お召しをまといました。帯は芙蓉文の生紬。
毎年この季節には、何を着るか迷います。明治維新で定められた軍人用の衣替えに従うのはかなり抵抗があり、それでも白露(9月6日頃)を過ぎれば単衣がいいかなあ、と思うのですが、Kサロンの後は着替える間もなく町屋での講義が待っています。エアコンのない環境に備えて薄物にした次第。
実際、会場(ホテル)にいらした京舞の家元、井上八千代先生は単衣をお召しでしたので、少し肩身が狭かったことを白状しておきます。1年前に堀場製作所の創業者を送る会の折には、京都仏教会の有馬頼底猊下が絽をお召しになっているのを見ているので、中旬まで薄物で許されるように思います。

その後、六角町の吉田家に伺い、更紗のコレクションの講義を受けました。主にイギリスの更紗が面白い。それを袋物にして殿方が持っていたらしく、粋を極めているそのセンスに感動。
ジャカルタで買い集めたジャワ更紗を見直して、小物をあつらえたくなりました。
祇園「ない藤」さんの夏草履。祇園祭に寄せていただいた折には、祇園祭セールで手に入れた千円の下駄を履いていて恥ずかしかい思いをしたので、この日はちゃんとした草履を選びました。
2016年9月 ヤタガラスの帯で烏相撲観戦@上賀茂神社
9月9日は重陽の節句。奇数(=陽)の最高数「9」が重なるlこの日、古来、菊のお酒で厄落とし。先月から転倒など災難続きの私は、上賀茂神社での神事に参列するだけでなく、除災の祈祷をお願いし、菊のお酒をいただきました。

上賀茂神社での「重陽神事+烏相撲」には、菊文かヤタガラス文をまといたくなるものです。昨年までは菊文の絽を着ていましたが、今年はヤタガラスの帯を手に入れたので、それにあわせて単衣で頑張っています。この日は例年になく涼しかったので助かりました。
着物はといえば、単衣の菊文は持ち合わせがなく、かわりに向日葵文で。キク科の花なので、よしとしました。あ、帯どめは菊のつもり。

ヤタガラス伝説に基づいて行われる烏相撲。神武天皇東進の折、上賀茂神社の神さまの祖父である賀茂建角身命が八咫烏となって先導した。その論功行賞として山城国北部一帯を賜ったとするもの。賀茂族の秘密にもつながります。
カーカーカー、コーコーコーと、刀祢が烏飛び。上の写真は宙に浮いている瞬間です。斎王代が取り組み表を確認。相撲の様子は他に面白い写真もあるのですが、子どもの個人情報保護のために、顔がわかる写真掲載が禁じられていますので掲載は断念(ニュース映像では堂々とオンエアされていましたけど)。

左の写真は、境内でふるまわれる菊酒。過去に撮影したもの。食用菊の花びらが入っています。









