
三室桜はもう散ったかもしれぬと心配しつつ、仁和寺へ。切符売り場には「落花さかん」と書かれていましたが、葉っぱと共に枝に残っていてくれました。
花びらが積もると、雪に見まごうから不
思議です。雪の中から顔出したように見えるタンポポが可憐でした。

帰り際に目を奪われたのは緑の桜。御衣黄(ギョウコウ)。別名・黄桜と聞けば、納得ですね。これから段々と赤くなるのだとか。そういえば、帯の刺繍に黄桜もありました。
桜の中に入るときは、、つい寒色系を選びます。青の紬では、少し暑かったですね。この日は帯揚げと帯締めを桜色にしています。
カテゴリー: 秋尾沙戸子のきもの適齢期
「きものを着たい」と思った時が適齢期。形見が舞い込んだ時、海外暮らしを終えた時、日本人の心を確かめたくなった時――。ワシントンDCでの中年留学を機に始めて18年。祖母・母・娘と三代続く着道楽の血が騒ぎ、粋に着こなしたいと奮闘中。失敗例も含め、適齢期を迎えた方々のヒントになれば幸いです。
京都での10年を歳時記にまとめた『『京都で、きもの修行:55歳から女ひとり住んでみて』が世界文化社より出版。日々の着こなしの写真は、インスタグラムに掲載。
2014年4月 枝垂れ桜?と鳥の帯 on 大島紬

京都の桜は種類が多いので、まだまだ楽しめます。左は御所、右と(左下も)上賀茂神社の斉王桜前にて。
紫の帯を捜し歩いて、出会った帯。ゴールドで描かれているのは枝垂れ桜の葉と思うのですが、柳かもしれず、微妙です。8色の桜の花と鳥が描かれているので、3月4月に締める帯ですね。
パステルの大島は、クリーム地に青、緑、紫。防水加工して雨コートにするつもりで購入しましたが、大島でこの色使いはめ
ずらしいから着物で着るべきとの声に押され、着物状態です。袖幅など私サイズではないので油断すると袖口から襦袢が少し出たりするのですが、仕立て直してまで着続けるかどうか考えあぐねているところ。
この日、京都は26℃。この暑さに、ひんやりする大島はとても便利。鴨川沿いも半木の枝垂れが一部葉をつけながらも、美しく咲いておりました。
2014年4月 曲水の宴には葵文の帯で

またまた平安の雅の世界へタイムスリップです。
本当は平安神宮で着た鶸萌黄の無地を着るつもりでした。平安神宮と同じのを続けて着るのが悔しいのと、万が一の雨で汚すのが心配で、年季の入った母の鮫小紋を選んだのでした。「あら、葵文の帯。上賀茂神社にぴったりね」と地元
のお姉さまから声をかけて頂きました。そうです。上賀茂の神紋が二葉葵なので、それを意識して購入したのです。さすが京都のご婦人。読み取って下さり、ありがとうございます。

今年も上賀茂神社で曲水の宴が開かれました。中国の周の時代に起源を持つ曲水宴は、3月の上巳の日に水辺で禊祓えを行う行事だったのが、日本に入った時点で、水流に盃を浮かべて和歌を詠むことに重きが置かれたようです。子どもたちは盃を促す役。上手に流れず苦労する様が可愛らしい。前者は流し雛の慣わしとして一般にも残っています。
斉王代にとっても、これが最後のお仕事。葵祭からは次の方が担当されます。境内の斉王桜の前で記念撮影されていました。
ところで、王義之の「蘭亭序」は蘭亭で開かれた曲水の宴で詠まれた歌集の序文。昨年、上賀茂神社で初めてこの様子を拝見した私の課題は、和歌の散らし書き、もしくは王義之の「蘭亭序」。でも全然、練習する時間がないまま今年も3分の1が過ぎようとしています。トホホ・・・。
2014年4月 紅しだれコンサート@平安神宮神苑

平安神宮の紅しだれコンサートへは、今年初めて。4日間のうち、前半は東儀秀樹さんの演奏が聴けると知って、馳せ参じました。
本番前、狩衣姿の東
儀さんと2ショット。思えば、最初に演奏を聴いたのも、94年春。京都の大徳寺でした。雅楽の演
奏で平安時代に誘われた、などと連載していた東京新聞のコラムに記したものです。
ライトアップは数あれど、ここのは本格的。散り始めだというのに、ライトをあてると、ボリュームがでる
から不思議。池の上に浮かんで見える東儀さんの狩衣姿がなんとも幻想的で素敵でした。篳篥の音に、植物も動物も喜んでいる風。鷺が空を舞い、ふと見れば、桜越しに月も・・・。
さて、着物は鶸萌黄の無地。夕暮れ時なので少し明るさを調整。実際はもう少し黄が強いです。桜の中では、若葉を思わせる緑が便利。お茶席にも法要にも着られます。
2014年4月 京都国際会館へ幾何学文のお召しで
2014年4月 桜の花の満開の下で@平安神宮神苑
2014年4月 カタクリ花の帯@六角堂
2014年4月 誉田屋源兵衛×松井冬子@京都
2014年3月 京都の底力 薄物の染み抜きに成功

薄物なれど、備忘録として掲載します。左は我家の押入れから出てきた上布。右は、祖母の押入れから出てきた越後縮。どちらも、古いからガンガンに入れて押入れに突っ込んだまま、何十年も風に当てられることなく放置された風。おかげで、茶色の染みが其処彼処にしっかりついていました。
東京で染み抜きに出したところ「出来ない」との答。暖簾にするしかないのかなあ、と諦めていたものが、京都では、しっかり落とされました。すごい技術。職人技です。いずれも2万円以上かかりましたが、上布でこのような文様が作られることもなく、技術的にも平成のいまは不可能なのです。だから、少々散財しても、どうしても袖を通したかった。この夏が楽しみ ♪。

















